新型肺炎で売り上げ7割減 中国人観光客が激減

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ニューヨーク市をはじめとした全米の観光地で、ホテルや飲食店の需要が急減している。ニューヨークタイムズが4日、報じた。
 中国からの観光客が多いニュージャージー州ニューアークリバティ国際空港近くのホテルでは、観光客減少による被害が10万ドル(約1100万円)を大きく上回るという。マンハッタン区で中国語のバスツアーを手配する会社は今週、中国人観光客から300件ものキャンセルを受けた。クイーンズ区の旅行代理店の経営者は、今週と来週分の中国人観光客200人の予約がキャンセルとなり、5人いる従業員のうち2人の解雇を検討しているという。
 マンハッタン区のチャイナタウンでは、過去10日間で売り上げが50%から70%減少。中国系米国人が多く住むクイーンズ区フラッシング、ブルックリン区サンセットパークでもコロナウイルス感染の「恐怖」がビジネスに打撃を与えているという。
 市観光局の調べによると、市を訪れる外国人観光客の中で中国人は英国人に次いで2番目に多い。一昨年に市を訪れた中国人観光客は約108万人。外国人観光客の約8%弱を占め、この15年で数倍に増えた。米旅行業協会(USTA)によると、2018年、外国人観光客の中で中国からの観光客が3番目に多かった。観光関連の調査会社ツーリズムエコノミクスは、米国を訪れる中国人観光客は今年、前年比で28%減少、買い物や飲食などの収益減は58億ドル(約6378億5330万円)に及ぶと予測している。

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