囚人1000人を釈放へ 重症化リスク高い軽犯罪囚、性犯罪囚は除外

 刑務所内で新型コロナウイルスの感染が拡大するのを防ぐために、ニューヨーク市のデブラシオ市長は24日、ライカーズ島刑務所に収監されている受刑者1000人以上を釈放する計画を進めていることを明らかにした。市の刑務所からは既に75人が釈放されている。NBCが同日、報じた。
 釈放されるは、軽犯罪または非暴力の重罪で有罪判決を受けた受刑者および1年未満の刑に服している、または刑期が1年未満の受刑者。市長は「重症になるリスクが高く、再犯の恐れが低い囚人を選んだ」と話している。ただし、家庭内暴力(DV)の受刑者や性犯罪者は釈放されない。
 21日朝の時点で、少なくとも38人の囚人および看守がウイルス陽性だった。囚人は21人で、その中には第3級強姦罪などで有罪判決を受けた元映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン受刑囚もいる。
 同受刑者は現在、バッファロー市の連邦刑務所内の隔離施設に収監されている。同受刑囚と接触のあった看守7人も自宅で自主隔離中。
 市矯正委員会は21日、矯正局に宛てた書簡の中で「刑務所内は、看守や受刑囚同士の接触度も高い。(刑務所のように)衛生状態の悪い場所から感染が急速に拡大する」と指摘。ブルックリン区の公選弁護人、スコット・ヘッチンガーさんも重症化するリスクの高い被告が勾留されていると懸念を表明している。
 市矯正局は、刑務所の入出時にスクリーニングを実施し、感染の兆候がある場合は、隔離する方針だと説明している。

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