劇場人が医療用マスクを製作 病院に寄付、「ハミルトン」俳優が発起人

 ブロードウェーの関係者が20日、ニューヨーク市内の病院で枯渇しているマスクやガウンなどの医療用防護用品を縫製し、病院などに寄付するボランティア活動「ブロードウェー・リリーフ・プロジェクト」を始動した。ヤフーニュースが23日、報じた。
 同プロジェクトを立ち上げたのは、大ヒットミュージカル「ハミルトン」でハミルトン役の代役を務めた俳優、ハビエル・ムニョス(44)さん。
 ムニョスさんは「ミシンもある。公演関係者には仕立職人もたくさんいる。何かできるのではないかと思った」と話す。環境保護団体ブロードウェー・グリーン・アライアンスに声をかけて、医療現場で使用する専用の布地を調達。作業員が6フィート(約1.8メートル)離れて縫製できるよう、約8000平方フィート(約743平方メートル)のスペースを持つマンハッタン区のオープン・ジャー・スタジオが場所を提供した。
 残る問題は作った製品が医療現場の仕様を満たしているかの確認だ。これを解決したのはブルックリン区のエリック・アダムス区長。「調達や生産から配達に至るまで、責任を持って見届ける」と、23日に「ゴー」サインを出したという。

 ムニョスさんのツイッターのフォロワー10万人に声をかけると、既に100人以上がボランティアを買って出た。「皆が一丸となって、1つのことを成し遂げるのは素晴らしい」。ムニョスさんは頼もしい笑顔を見せた。