企業に対して「人種差別」に抗議 黒人従業員の比率や昇進を問題提起

 全米ではジョージ・フロイドさん暴行死事件や人種差別を巡りデモ運動が行われているが、企業に対して人種差別を抗議する動きもでている。ウォール・ストリート・ジャーナルが8日、報じた。
 オレゴン州ポートランド市にあるアディダスのデザイナー、黒人のアリック・アーモンさんは今年2月、マイアミで開催されたスーパーボールで、元同僚から黒人を蔑視する「Nワード」で呼ばれたとインスタグラムに投稿。また、アーモンさんは「アディダスでは黒人の昇進が困難」と指摘。確かに、アディダスのエグゼクティブチームや取締役会のメンバーに黒人はいない。別の黒人従業員グループは2021年末までに全レベルで黒人及びヒスパニック系従業員の比率を31%にするよう求める文書を経営陣に送付。同社は「特に黒人従業員の声を聞き、問題解決に努めたい」と表明している。
 黒人スポーツ選手を広告に使い、黒人消費者をターゲットにしてきたナイキやアンダーアーマーにも同様の批判がある。また、化粧品メーカー、エスティーローダーはこのほど、人種差別問題に取り組む団体に、1000万ドル寄付する意向を発表。しかしその後、取締役のロナルド・ローダーさんがトランプ大統領を支持し、政治資金集めを行っていたことが発覚。「矛盾している」と従業員から解任を求める声が上がっている。オンラインの解任嘆願に署名したアートディレクター、A・J・ステイべさんは「この現状を変えたい」と話している。

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