デイケア施設、再開しても問題山積み 児童の減少や安全性の考慮

 ニューヨーク市で13日からデイケア施設の再開が許可されたが、安全に再開するために多くの問題が残されている。ウォール・ストリート・ジャーナルが16日、報じた。
 同市では新型コロナウイルスの感染者数が減少していることから、約3000のデイケア施設が再開を許可された。しかし、安全性を考慮しながら再開するためにかかる高額な費用を払えない、また生徒数減少によりパンデミック以前のような収入が見込めないことで、再開を見送る施設も多い。また、デイケア施設に対する政府のガイドラインや支援金も不十分で、給与保護制度を受けた施設も少ない。さらに、教師の転職や転居、多数の児童が転居したことにより再開できない施設もある。児童を施設に戻すことの安全性を懸念する保護者も多い。
 営業再開した施設では、プレキシガラスの導入したりハンドサニタイザーの設置、教師による入念な教室の消毒、児童が頻繁に手を触れる遊び道具を整理することの他、児童への頻繁な手洗い指導などを行い、咳をしている児童を帰宅させるかの判断も任されている。
 このような状況を受け、ブルックリン区ベッドフォードスタイベセントで幼稚園を経営するアンドレ・ファレルさんは「我々は教育者であり医療専門家ではないのに、多くのことを求められている」と困惑している。全米幼児教育学会の調査によると、デイケア施設への登録者は全米で平均67%減少。さらに、追加の支援が受けられない場合は、全施設の29%が9月末までに完全な閉鎖を強いられる可能性が出てくるという。

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