自然探索するニューヨーカーが増加 「秘密の扉を通り抜けて」公園の奥へ 

 外出制限下、人混みを避けて公園の奥へ入り込み、自然を探索するニューヨーカーが増えている。ニューヨークタイムズが28日、報じた。
 市内の総公園敷地面積は1万エーカー(約40平方キロメートル)。さらに、公園の3分の1が森林、湿地、草原だ。トレイルも全長300マイル(約482キロメートル)を超える。クイーンズ区にあるフォレストパークにも15マイル(約24キロメートル)のトレイルがある。深い森を抜けたところに、アシで囲まれた池がある。そのほとりには、スティーブ・マイングさんと2歳の娘、ロージーさんがいた。「秘密の扉を通り抜けたようだ」とマイングさん。甲羅干しをしている亀に「ハイ」と声をかけたロージーさんを見て、目を細める。自然保護団体「ナチュラル・エリア・コンサーバンシー」のトレイル専門家、ガブリエル・カミングスさんは「コロナが流行する前なら、1日歩いても、会うのはせいぜい1人か2人。今は、10人から20人に増えている」と指摘する。
 ただし、ゴミが増えたり、トレイルから踏み出したりすれば、自然体系を破壊することにつながる。しかも市はこのところ、1970年代以来の財政難で、8400万ドル(約88億円)を公園管理の予算から削った。同団体の責任者、サラ・シャーロップ・パワーズさんは「コロナ禍だからこそ、公園の予算を増やして管理を強化し、利用を促進させるべきなのに」と批判的だ。

ブルックリン区のプロスペクトパーク。7月上旬に撮影(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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