コロナ禍薬物依存症患者が孤立 オピオイドの乱用と死者が増加

  新型コロナウイルスの影響下、薬物依存から回復途中にあった元薬物依存症患者の間で、オピオイドの再乱用が増加している。ゴッサミストが13日、報じた。
 クイーンズ区では、今年1月から5月までの間に、薬物の過剰摂取による死者数が56%増加。スタテン島では、今年に入ってから現在までの間に58人が死亡。前年同時期の49人を上回っている。
 また、ニューヨーク市の救急医療技術者が、ヘロイン過剰摂取者の救命にオピオイド拮抗薬「ナロキシン」を使用した件数は、前年より23%以上増加していた。ホワイトハウスの麻薬政策室の分析によると、今年1月から4月までに、全国で、薬物過剰摂取による死者数が11.4%増加していた。その背景には、薬物依存症患者を薬物から遠ざける役目を果たしていたとされる仕事やジムでの運動、外来治療、尿検査などが、同ウイルスの感染拡大を防止するために停止していたこと、また薬物依存者更生会によるグループセラピーがテレビ電話で行われるようになり、効果が減少したこと。他にも薬物治療施設が、社会的距離を保つために人数制限を開始したことなどが指摘されている。
 隔離により、家族や友人と離れ1人で暮らす薬物依存者は、過剰摂取による呼吸困難を起こしても、ナロキシンを投与する者や911通報する者がまわりにいないことも死者数の増加につながっている。

写真はイメージ

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