「NY公立学校のコロナ検査は不十分」 アウトブレイクを避けられない懸念

 ニューヨーク市の公立学校は来週から、1ケ月に1回、全生徒数の10〜12%にあたる1800人の生徒を無作為に選び、新型コロナウイルスの感染検査を開始する。しかし、ニューヨーク大学で公衆衛生を教えるアナ・バーシュテイン助教授の研究チームは、これではアウトブレイク(突発的な集団感染)を避けられないと警鐘を鳴らしている。ニューヨークタイムズが2日、報じた。

 同チームが参考にしたのはドイツやイスラエルなどの例。バーシュテイン助教授は、「1ケ月に1回では、陽性反応が出た時には、感染が大きく広がっている可能性が高い」と指摘。1ケ月に2回、全生徒数の半分に対して感染検査を行うべきだとの見解を示した。そして、「こうすれば、陽性反応が出てもアウトブレイクには至らない。保護者も安心していられる」と結論づけた。

 これに対し、市長の上級顧問で健康問題を担当するジェイ・バルマー医師は「対象をできるだけ多くし、頻度をできるだけ高めることは理想的。だが、検査キットの供給に上限があり、インフラの面からも現実的ではない」と反論。「生徒は、学校以外でも検査を受ける可能性がある」として懐疑的だ。

 夏に下火になった感染率は最近上昇している。市では、感染率が3%を上回る日が7日連続した場合、公立学校を全て休校とする考えだ。

写真はイメージ

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