ICE捜査官がNYPDの警官のふり  不法移民を騙して逮捕


 米移民税関捜査局(ICE)の捜査官が、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官を装い、不法移民の逮捕を繰り返していることが問題となっている。ゴッサミストが28日、報じた。
 ICEは、10月の第1週、ニューヨーク都市圏で54人の不法移民を逮捕したと発表。しかし、ICEの捜査官がNYPDの警官を装い、妻から夫の居場所を聞き出して夫を逮捕したケースや、NYPDの制服を着用し、NYPDの麻薬捜査官であると名乗る、または管轄の警察署で取り調べると騙して連行する、などのケースが報告されている。
 デブラシオ市長は今月、ICEに「NYPDは、ICE捜査官がNYPDを代表していると述べたり暗示することを望まない。そのような行動はNYPDの公安任務に悪影響を及ぼし、コミュニティへの信頼を損なう」とする文書を送達した。バラク・オバマ前大統領の政権時代にICEの局長代理を務めたジョン・サンドウェグ氏は、「ICE捜査官は警官なので、警官と名乗ること自体は、安全上の理由から、立場を明白にするための適切で重要な方法ではあるが、その機関の許可を得ずに、地元の警察から来たと名乗ることはできない」と述べた。NYPDによると、ICEにそのような許可を与えたことはないという。
 さらに、ICE捜査官の行為が、不合理な捜索および押収に対し、身体、家屋、書類および所有物の安全を保障する憲法修正第4条に違反すると指摘する専門家もいる。