NY州保健局、違法葬儀場を閉鎖処分 遺体を貸トラックや床の上で保管 

 ニューヨーク州保健局は16日、新型コロナウイルスによる死者が爆発的に増加していた今年春、引き取った遺体を著しく不適切に扱っていたブルックリン区の葬儀場を閉鎖処分とした。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
 ニューヨーク市警察(NYPD)は4月29日、同区ウチカ・アベニューにあるアンドリュー・T・クレクリー葬儀場の前に止めたトラックから酷い悪臭がするとの通報を受けた。駆け付けた警官が、Uホールからレンタルされた冷蔵機能のないトラックの中で、腐敗している数十体の遺体を発見。また、葬儀場の床の上で、衣類をつけず、腐敗した遺体があちこちに放置されているのを見つけた。検死局は、同葬儀場から61の遺体を引き取った。市では当時、感染者数のピークは過ぎていたものの、病院と遺体安置所はまだパンク状態。4月29日の死亡者数は240人だった。同州は直ちに、葬儀場所有者のクレクリーさんを免許一時停止処分とした。同局行政法判事は8月、クレクリーさんが、同州で葬儀責任者として働くことを禁止にし、6万8000ドル(約708万円)の罰金を科し、同葬儀場の登録を取り消した。クレクリーさんは、同局のハワード・ザッカー局長に上訴したが、同局長は判事の判決を支持。死者の遺族らは、クレクリーさんおよび同葬儀場の複数の葬儀責任者を提訴している。