公立病院、妊娠中の女性に対する薬物検査を中止 「人種差別的」との批判を受け入れて

 ニューヨーク市内の公立病院は9月15日、書面での合意なしに、妊娠中の女性に薬物検査を実施する慣行を中止した。ゴッサミストが17日、報じた。

 この慣行は2014年に開始。陽性反応が出ると、病院の情報システムを通じ、市の児童サービス局(ACS)が育児遺棄の疑いで調査を開始するという仕組みになっていた。黒人女性、シャキラ・ケネディーさんは、つわり対策として大麻を使用していた。本人の合意なしに行われた薬物検査で陽性反応が出たため、出産直後、病室にACSの職員がやって来て、「調査を開始する」と告げられたという。

 これに対しては、活動家団体が批判していた。「ザ・ムーブメント・フォア・ファミリー・パワー」の共同創始者、リサ・サンゴイさんは「有色人種に対する取り締まり、監視、および管理を強化する」との見方を示している。市内では黒人やラテン系の子供の比率は、それぞれ全体の23%と36%。育児遺棄や児童虐待の報告数では、こうした有色人種の割合が89%にもなっている。

 今回の慣行中止は、こうした批判を受け入れた結果だ。薬物検査は、医療措置が必要な場合に限られるようになった。ACSも薬物検査の結果のみでは、育児遺棄や児童虐待の報告を行う理由にはならないとのガイドランを発表している。

写真はイメージ

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