コロナが薬物依存症患者の治療を阻害 深まる孤独感

 コロナ禍で、薬物依存症患者施設が閉鎖された影響で、治療が阻害されている。ニューヨークタイムズが4日、報じた。

 ニュージャージー州ブレアズタウンにある治療施設、ハーレーハウスは昨年3月に外部との接触規制を開始した。深まる孤独感に耐えきれず、入居者9人が施設を離れた。その中8人が薬物乱用者に逆戻り。施設長のジャッキー・レさんは「悪夢だ」と肩を落とす。全米の治療施設165ケ所のうち、44%がバーチャルでプログラムを運営し、10%が閉鎖したとの調査結果もある。患者の1人、モーリーンさんは「ボディーランゲージやハグが恋しい。薬物やアルコール依存症患者にとって人とのふれあいが最も大切」と語る。米疾病予防管理センター(CDC)は、オピオイド過剰摂取(オーバードース)が「加速している。警戒を要するレベルだ」と警告する。

 ただ、ニューヨーク市内のヘーゼルデン・ベティー・フォード・センターズでは、夏から2500人以上が新たに参加し、バーチャル化で治療プログラム参加者が倍増したという。同市のNYCヘルス・アンド・ホスピタルズ(HHC)でも、昨年3月から31万4000人が薬物依存症や精神病治療で遠隔医療を受けている。ニューヨーク州内では、薬物依存症患者施設でのコロナワクチン接種も始まった。

写真はイメージ

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