おうち時間をちょっと楽しくする 大石育子のくらしごと 6月 コーヒーテーブルとチッペンデール様式の椅子

 

おうち時間をちょっと楽しくする
大石育子のくらしごと

 

6月 コーヒーテーブルと
チッペンデール様式の椅子

 

カブリオールレッグ

 アンティーク家具といえば優雅な猫脚(カブリオールレッグ)。猫の脚のようにしなやかで丸みのあるフォルムに魅せられる人も多いのではないでしょうか。カブリオールレッグとは動物の脚をモチーフにしたS字曲線を描くデザインの脚のこと。17世紀末から18世紀にかけてフランスを中心にヨーロッパで流行しました。カブリオールレッグの膝の部分(脚の付け根)や足先のデザインはいろいろな組み合わせがあります。写真のように「アカンサス」と呼ばれる葉アザミなどの植物や、貝殻の彫刻が施されたものをよく見かけますが、これは、古代ギリシャやローマ時代の装飾から影響を受けたものだそうです。

 

ボール&クロウ

 カブリオールレッグの伝統的なデザインに龍や獅子が玉を掴んでいる「ボール&クロウ」があります=写真左=。中国では古代から龍が水晶を爪で握っている装飾が多く、ボール&クロウはその影響を受けたものだといわれています。中国で龍や玉は縁起物とされ、「幸せを運んでくる」との意味が込められているのです。  一方で、「なんとなくグロテスクで苦手」「玉を掴んでいないタイプの方が好き」との声をよく聞きます。日本では、玉を掴んでいないシンプルな「フレンチカブリオル」や「パッドフット」と呼ばれる形の人気が高いようです。でも私は断然、ボール&クロウが好き。こればかりは好みですね。ちなみに違った種類の脚の形もあります=写真右=。これはわが家のコーヒーテーブルですが、獅子の脚のような形が存在感があって、お気に入りです。現代のマンションや日本家屋にもすんなり溶け込む猫足の椅子やテーブル、皆さんの暮らしにも取り入れてみませんか?

 

トーマス・チッペンデール

 18世紀の英国で活躍した家具職人でデザイナー。シノワズリとロココ様式を融合させたデザインで有名です。わが家の椅子もチッペンデール様式。一脚置くだけでも華やかで存在感があり、リビングはもちろんのこと、玄関に一脚で置いても素敵だと思います。  チッペンデールの才能は家具のみならず室内装飾にまで及び、「部屋全体を考えて家具をデザインした」と高く評価されており、世界中の人に愛されるデザインとして現代まで受け継がれています。

 

 

今月のフィンガーフード

~キャロットのポタージュ~

 手軽にできておつまみにもピッタリ、そして見た目も可愛いフィンガーフード。今月は、オーブンなど火を使わなくてもできる冷たいデザートを作ってみました。

 

【材料4人分】
パンナコッタ
・ゼラチン(板または粉)4g 
・クリームチーズ 60g
・砂糖 70g 
・練乳 10g
・牛乳 180㏄
・生クリーム 110cc
・レモン汁 小さじ2
・バニラエッセンスまたはバニラペースト 少々 レモンカード
・レモン 1個 
・卵 1個 
・砂糖 60g 
・バター 50g

【作り方】

パンナコッタを作る
①ゼラチンを氷水に浸けておく
②室温に戻したクリームチーズと半量の砂糖をボウルに入れてすり混ぜる
③残りの砂糖と牛乳を鍋に入れ火にかけて温める
④③に②を少しずつ入れながら混ぜる
⑤④と生クリームを鍋に戻し、沸騰させてから火を止める
⑥⑤にレモン汁とゼラチン、バニラエッセンスを加えて混ぜ合わせる
⑦小さな容器にパンナコッタ液を入れ冷蔵庫で冷やし固める

レモンカードを作る
①レモンの皮をすりおろし、果汁は絞る。卵は溶いて漉す。材料を全て鍋に入れて湯煎(80℃)にかけながらとろみがつくまで混ぜる
②①を冷ましてから、冷蔵庫で冷やし固めたパンナコッタの上に流し入れて再び冷蔵庫で冷やして固める
③レモンやミントなどのハーブを飾ってサーブする

★ゼラチンは板と粉とで扱い方が違うので注意。
★練乳がない場合は砂糖の量を増やす。
★脂肪分を控えたい場合は、クリームチーズの代わりに水切りヨーグルトを使うとよい。
★レモンカードを季節の果物やジャムに変えてもよい。

 

今月使ったおすすめアイテム

MUJIのシリコンスプーンとスパチュラ
MUJI SILICONE SPATULA / 7ドル90セント
SILICONE COOKING SPOON / 9ドル90セント

 これ1本で「炒める・混ぜる・取り分ける」ができる優れもの。持った感じはずっしりとしていますが、手のひらにフィットして使いやすく、適度な柔らかさがあるので、あらゆる調理に使えます。耐熱温度の高いシリコンなので、熱にも強く鍋を傷付ける心配もなし。プロの料理家にも愛されるこのシリコンツール、皆さんもぜひお試しください。

 

 

 

筆者:大石育子

インテリアコーディネーター、食空間プランナー、英国式紅茶インストラクター。日本フィンガーフード協会認定講師。食空間プロジェクト(FSPJ)認定サロン、初級ディプロマ発行校Atelier de Ikuko New York主宰。「東京ドーム・テーブルウェアフェスティバル」特別審査部門で2019、2020年と2年連続入選、2020年、テーブルウェア・コーディネート部門入選、特別審査部門・奨励賞受賞。日本クラブカルチャー講座講師。

http://atelierdeikukony.amebaownd.com 

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