NY刑務所内で自傷行為が激増
コロナの影響、自殺者も増加
ゴッサミストは7日、独自に入手した内部データとして、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた昨年夏、ライカーズ島にあるニューヨーク市刑務所で受刑者による自傷行為の割合が急増したと伝えた。昨年7月から9月にかけた自傷行為の割合は、直前の3~6月の約2倍になった。
今年4~6月のデータによれば、刑務所での自傷行為は539件。収容者1000人あたり95件と過去5年間で最も高いレベルとなっている。一方、受刑者の人数は増えており、コロナの影響で出勤スタッフの数も不足。刑務所は危機的な状況に置かれている。自殺者もこの9カ月間で5人に上り、少なくとも過去10年間で最多の自殺者数を記録した。昨年までの3年間、自殺者はほとんどいなかったという。
自傷行為が激増した背景には、コロナの影響で収容者を釈放する動きが急速に鈍くなったことがある。裁判所の手続きが停止され、多くの受刑者が刑務所で待つことになった。また家族との面会や散髪、公立図書館からの本の配達、美術や音楽のプログラムなども中止された。「釈放されると思っていたのに釈放されなかった人もいて、それが人々の絶望につながった」(刑務所関係者)。
職員に排泄物を投げる、壁に頭をぶつける、手首を切る、首を吊ろうとする自傷行為の増加を重くみた市の矯正委員会は9月、当局に対策を求める声明を出した。
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