第2回 ニューヨーク在住トラベルプランナーの NYたびコラム 〜a chill out day in NYC〜

第2回 ニューヨーク在住トラベルプランナーの NYたびコラム 〜a chill out day in NYC〜  サミット・ワン・ヴァンダーヴィルト展望台

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サミット・ワン・ヴァンダーヴィルト展望台

 ニューヨーク、マンハッタンには全部で5つの展望台があります。エンパイアステートビルディング展望台、トップオブザロック(ロックフェラービルディング)、ワンワールド展望台、エッジ展望台(ハドソンヤード)、そしてサミット展望台(ヴァンダーヴィルト)。それぞれに特徴があり、私たちはお客さまに提案する際、スケジュール上支障が無いロケーションである事を最優先の上、話題性やニーズに応じてオプションを提示します。

 エンパイアは、その歴史と圧倒的な認知度、トップオブザロックは、エンパイアがど真ん中に見えるという絶対的な映えポイント、ワンワールドは、他の4ヶ所とは違う南からの景色と自由の女神がしっかり目視できること、エッジはMV撮影や横からのエンパイアという迫力ある景観。どこもオススメしたい展望台ながら、今年は是非ともサミットを推したいです。

 最初にサミットを訪れたのは、まだオープン前にセールスの方にプライベートで紹介してもらった時です。中ではまだ作業員の方々が、最後の仕上げをしている最中でした。事前のメールで「ヒールのある靴とスカートは履いてこないでください」と書かれている事に首を傾げながらも、「理由は今は秘密」と書かれている事に期待感はマックスでした。91階に着いて靴の上からヘアキャップのようなカバーをつけて光の回廊を進み、視界がひらけたと同時に、まるで空中に放り出されたかの感覚に襲われ足がすくんでしまいました。床に空や建物が見えます。しばらくして脳の処理能力が追いつき、あらためて確認すると、床が吹き抜けのように見えたのは、実は鏡張りの床と天井であったのが理由のようでした。まだ誰もいない貸切り状態の91階は、異空間であり、見慣れたマンハッタンをさらに魅力的に演出してくれるようでした。

 セールスによると、1番のオススメは夕焼けが差し込む時間と、夜に音とイルミネーションの演出がある頃とのことでした。夕焼けの時間は天気が良ければ、部屋中が金色に染められるというではありませんか。この日は昼の時間でしたが、遠くまで見渡せて感動しきりでした。それでもまた、そのおススメの時間も試してみたいという気になりました。そしておススメの夕方から夜にかけて入場してみました。オープンから2週間という事で、話題性も高く、長い行列ができていました。(今は落ち着いている)エントランスでは、バーコードを腕に巻き、靴の上にかぶせるシャワーキャップを受け取って靴にかぶせます。そして3Dカメラらしきもので、顔を読み取らせました。91階に辿り着くと、人でごった返し、鏡の床も気付けないほどの人口密度。夕焼けを狙ったものの、曇っていたために金色に包まれる体験は「いつの日か」にオアズケとなりました。

 展望台は91、92、93階から構成されています。一度でも上に上がれば、下の階には戻れない仕組みなので、存分に各階を楽しんでから次の階に上がることをおススメします。一番のメインは91階の鏡の南側のフロアです。エンパイアステートビルディングが見える方面です。なんといってもここがメイン、皆エンパイアとのツーショットと映え写真を撮るのに必死です。そこから西側に回り込むと草間彌生の作品「クラウド(雲)」が展示されています。北には銀のボールが舞う部屋があり、子供も大人も大喜びしています。そのまま東に進むと92階へと上がるエスカレーターに乗ることができます。

 

 92階は、91階の南側を覗けるようにグルっと回廊のようなつくりになっています。南側の廊下をそのまま西へ進むと、今度は西側に少し突き出したガラス張りの出窓のような場所があります。そこでガラスの床の上に足を踏み出し、バーコードを読み取ってまるで空中に浮遊しているような写真を撮ってもらうことが出来る。次の北側の部屋の入り口前のバーコード読み取り機で、腕に巻き付けたバーコードを読み取らせてから部屋に入る。中に入ると大きな画面に大空が広がり、左右に不思議な形の雲が漂っている間を飛んでいるように錯覚するような映像が流れています。

 よく見ていると、自分によく似た顔の雲が現れる。なるほど、これはエントランスで撮った3D写真がこのように使われるのかと納得しました。その部屋を抜けると、最後の上りエスカレーターが待ち受けています。93階に上がると、小さなカフェがあり、その前から屋外に出られるようになっています。ただし、背の高いガラスが張り巡らされているので安心です。南側から西側にグルっと回れるようになっており、バーも併設されていて、夜景を見ながらお酒が飲める贅沢な空間が広がります。

 さらに上に上がりたい場合は、アセントというガラス張りのエレベーターリフトに乗ることも出来ます。混み具合やコロナの状況によって乗車できる人数に増減はあるようですが、基本的には6〜8人程度まで乗車でき、南側向きに据え付けられ、数階分ぐらい真っすぐ上に上がります。ガラスの床の下は93階が見えるだけなので、さほどの怖さは感じません。上下移動1分強。最上部で2〜3分ほど停止して、写真タイム。このアセント乗車は追加で別料金となっています。これは、おススメというより混雑状況や好みによっての判断かと思います。

 このヴァンダービルトビルは1401フィート(約427メートル)の高さを誇ります。東京にあるスカイツリー2080フィート(約634メートル)と東京タワー1092フィート(333メートル)のちょうど間ぐらいの高さだけれど、だからこそ他の摩天楼を間近で、迫力ある高さで楽しめるのです。1時間ほど91階で過ごしていた間に、3〜4組のカップルがプロポーズしていました。その都度沸く展望台。ロマンチックな景色、皆がワクワクしている空気が伝染し、鏡のおかげで笑顔が四方八方に広がる空間に囲まれる。ニューヨークはよく知っているはずなのに、人と摩天楼のコラボに出逢えるこの場所に、また来たいと思ってしまいます。

 

取材・文/MADOKA
日本発の国内・海外添乗員としての経験を経て、ニューヨークでアウトバウンド、インバウンドの両面から旅行業界に携わる。現在はVIPアテンドを務めながら、グループ専門のB2Bランドオペレーターのニューヨーク支店長として、企画から手配にいたるまで幅広い業務を行っている。大好きなニューヨークを、是非皆さんにも楽しく味わって頂きたい♪


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