10月15日 編集後記

編集部が気になった1週間の出来事

 

編集後記

 皆さん、今週も、一週間おつかれさまでした。

 今日は、秋晴れの気持ちのいい一日でしたね。今週は、Columbus Dayもありましたので、少しNYの秋をゆっくりと楽しまれましたでしょうか?ちょうど今週火曜日の記事で、自由の女神の冠部分へのアクセスが、コロナ以来、2年半ぶりに再開されるとあったので、ちょっと調べてみたのですが、冠部分へのチケットに関しては、10月はもう既にSold out、11月も数日を除いて既にSold outという状態でした。さすがNew Yorkerは動きが速いですね。オフィスにはいっていないのに。。。(地下鉄、バスの利用者数は低迷
 
 今週もいろんなことがありましたね。先週の金曜に、テキサス州からのバス移送による移民の急増で、NY市が非常事態宣言を出しました。そして今週の金曜には、Times Squareのすぐ近くにあるROW NYCという1泊$400もする以前の4つ星ホテルを、2ヵ所目の移民受け入れ場所とすると発表するとともに、来年までにNYCとしてこれら移民関連で10億ドルもの費用がかかるとの見通しも発表しました。NYCには、5月以降19,000人近い移民が流入してきたとのことですが、9月30日に終わった会計年度において、連邦政府が、昨年度(170万人)を大きく上回る230万人以上もの不法移民を、南部の国境にて拘束したという状況ですし、なぜかフロリダの共和党州知事(2024年共和党大統領選挙に出馬が見込まれている)が、フロリダ州のお金を使って、テキサス州から移民をマサチューセッツ州の有名観光地であるMartha’s Vineyardに空路移送するという事態が起こっていることを考えると、この移民に関するニュースは、11月中間選挙やその後をにらんで、まだまだ続きそうです。またこの急激な移民増加の背景には、アメリカ国内の要因だけでなく、流出側の問題(今回の場合は、従来のMexicoやCentral America国々に加えて、VenezuelaやNicaragua, Cubaといった国々が全体の3分の一を占めるに至っており、増加分に相当する)も大きな影響を与えているのが、この問題を非常に複雑にしているところです。
 
 日本に関して言うと、円が今週さらに安くなりましたね。一時$1=148円台後半となり、1990年8月以来の円安水準となりました。G20財務省・中央銀行総裁会議で、共同声明も3回連続で出せませんでしたし、議長が閉幕後の記者会見で、参加国間の大きな乖離に懸念を示すという状況の中、こちらの経済ニュースとしては、ほとんど注目を集めていないことも、日本のニュースにおける取り扱いと比べて、興味深いところでした。むしろコア消費者物価指数が1982年ぶりの上昇率(前年比+6.6%)を示したことの方が、アメリカ国内では大きな注目を集めているように思いました(同指標の発表を受け、株式市場は朝方2%も暴落したにも関わらず、その後大きく反転し3%上昇で終えるという非常の大荒れとともに。。。)。今回のインフレ・データを受けて、11月1週の0.75%の利上げはほぼ織り込まれましたし、利上げが来年半ばまで続くとの意見も出ているので、(為替決定の重要な要素である)金利差はますます開くことになるように思います。むしろ、日本自体も9月企業物価指数が前年比+9.7%となっている一方で、コア消費者物価指数は8月時点で前年比+2.8%に留まっていますので、今後これらが日本社会にどう影響するのか(特にこれまでのデフレに慣れた社会のなかで)の方が注目のようにも思います。
 
 今週は他にも、DCでの米議会襲撃事件の下院特別委がトランプ氏の召喚決議がありましたし、NYでは、少し安心なニュースとして、NY市がTimes Squareを「銃持ち込み禁止区域」として法制化というニュースや、楽しみなニュースとしては、NY州とNY市が16億ドルを投資して、ライフサイエンス・ハブを建設するといったニュースもありました(こちらは完全にBostonに負けているので。。。)。なかなか4営業日にしては、盛りだくさんの一週間だったので、週末は、秋晴れの空を少しゆっくりと楽しみたいと思います。皆さんもよい週末をお過ごしください。

編集部より

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