補習授業校の魅力 ニューヨーク補習授業校

 

補習授業校の魅力

 

平日は現地の子ども達と一緒にアメリカの小学校に通い、充実した学びの時間を過ごしている子ども達。
そんな彼らが、週末などの限られた時間で日本の教育を受けるのは、決して簡単ではありません。
子どもだけでなく家族が一丸となって取り組み、一つひとつの小さな努力がどのように身を結び、彼らの将来に役立ったのでしょうか。

 

ニューヨーク補習授業校

 


世界で有数の大規模補習校
日本人として活躍できる人材を育む

教科の学習だけでなく、日本の学校文化及び伝統文化や行事等に触れる機会も大切にしています。みんなで生活する中で、一人一人の違いやよさを認め、心身共にバランスのよいグローバルな人材を育てる教育を行っております。

校長 川﨑 淳一郎
W校/中高等部、幼児部交流のみの市での集合写真

本校は、2つの地区校で構成されています。1校目は、マンハッタンの北東部クイーンズ区にある借用校のLI校(Long Island校)、もう1つは、マンハッタンから北のウエストチェスター郡にあるW校(Westchester校)です。

ニューヨーク周辺に在住する日本人の子女に対し、日本と同じ教科書を用い、日本語で日本国内の新学習指導要領に基づいた教育を毎週土曜日に行っています。将来、日本の初等・中等教育施設等への編入、進学する際に、スムーズに適応できる力を養うこと、また、アメリカ国内や外国で日本語や文化を大切にし、一人の日本人として活躍できる人材の育成を目的としています。また、幼児部と高等部を併設しており、幼児から高等2年生までの一貫教育を提供しています。学校教育目標、「日本文化を身に付けた個性豊かで、広く物事を考えて自ら実践する人間の育成」目指し、本校の教職員一同は、研修会、研究・巡回授業を通した授業力の向上やより良い行事内容の検討等、最善の教育環境を創り上げる努力をしています。

子どもたちは、月曜日から金曜日は現地校に通って英語での学習を続けながら、土曜日に補習授業校に通い、日本語での学習と両立させています。補習校で学ぶ意義を共に考え、実行し、やり遂げる体験を将来に生かすことができるニューヨーク補習授業校です。

 

 

卒業生の声 2022年度卒業式の答辞より


日本の文化を知ることで
言葉の美しさやその意味を学べた

2022年度LI校高等部卒業生
在米期間:15年以上
年代:10代

Q1. 補習校で学んで良かったことは?
日本語の勉強だけでなく、教科書に載っていない文化を教わったことです。例えば、剣道の動きには全て意味があること、古文の風情ある恋の歌が詠まれた百人一首、水引きには、人と人を結ぶという意味があること。

日本文化を理解するにつれて、言葉の美しさや意味を伝える楽しさを実感していきました。もし私が補習校に通っていなければ、日本の創意工夫や気遣いが文化のいたるところに垣間見えるということに気づくことはなかったでしょう。言葉の中に、暖かい意味があるということに気づくことはなかったでしょう。理解できた今だからこそ、感謝の言葉を、今、心から伝えることができます。

Q2. 補習校の生活で苦労したことはなんですか?
幼児部から初等部に上がると、本格的に日本語の勉強が始まりました。幼児部での楽しい時間とは違い、算数の問題をみんなで解き、黒板の文字を書き写すなど、難しい事が増えました。特に漢字テストは大の苦手で、書き順、読み方、部首など、小さくて細かいことを覚えるのにどんな意味あるのか、当時の私にはわからず、泣きながらペンダコができるほど繰り返し練習しました。でも教科書の音読は楽しみで、大きく、はっきりした声で物語を読む時の心地よさに引き込まれたことを覚えています。

そして中等部へ進級をし、そこで待っていたのは、毎週六時間の授業、「算数」から「数学」へと呼び方が変わった教科、そして読み方がわからない漢字が沢山乗っている国語の教科書でした。初等部の勉強も難しかったのに、「なんだこれは!」と中学一年生の私は唖然としました。補習校生活はどんどん辛くなりました。しかし、時間が経つにつれて漢字の読み書きだけではなく、『言葉』を教わったことは日本語に対する転機でした。なぜ、「ありがとう」が感謝の言葉なのか、また、日本語の由来や挨拶が日本文化とどう関わっているかなど。そうしているうちに、私は、少しずつ、真摯に日本語と向き合うようになっていったのです。

 

 


いつもそこに「ある」ことことが
アメリカ生活に安心を与えてくれた

2022年度W校高等部卒業生
在米期間:10年以上
年代:10代

Q1. 補習校で学んで良かったことは?
どれか一つの思い出だけが、僕にとっての補習校の醍醐味ではありません。特定の一つの思い出よりも何よりも、補習校がいつもそこに「ある」ことが大切なことでした。  2012年の6月にアメリカに来た僕は、補習校のクラスに入った途端にほっとしました。アメリカという未知の場所で漂流し、迷子になっている僕にとって、補習校は「日本」を感じられるオアシスであり、安心できる場所だったのです。

僕が今住んでいる小さな町には、日本の家族なんて片手で数えられるほどしかいません。もちろん、日本の友達と出会える機会は一握りでした。しかし補習校が「あった」ことで、その機会を与えられ、日本の友達と出会うことができました。そして彼らと、小一から高二まで、たくさんの思い出や失敗を共にしてきました。補習校が「あった」からこそ、このかけがえのない仲間に出会うことができました。

Q2. 補習校の生活で苦労したことはなんですか?
大学のアプリケーション、スポーツ、学校の忙しさから、スケジュール管理に苦労しました。  

僕たち高2は補習校最長年として、のみの市においてコロナ禍で中止された伝統のクレープ販売の復活を試みていました。当時は補習校内では調理ができない状況の中で、クレープ復活を実現しないといけませんでした。  

ここで僕は、「生徒会の役員として、大いに貢献しました」と言いたいのですが、日々の忙しさからあまり役にたてませんでした。しかし、そこには仲間がいました。僕の足りない成果を塗りつぶすように蚤の市に積極的に取り組み、成功へと導いてくれました。自分の惨めさ、未熟さを思い知りましたが、それ以上に補習校の仲間のありがたさを思い知りました。

 

 

日本の学校文化や伝統文化、行事等に触れる機会も大切にしている。W校の百人一首大会(上)と球技大会(下)

卒業生紹介


現地校との両立で
自己管理力を磨けた

2019年度LI校卒業生
在米期間:20年以上
受験経験:アメリカの大学受験
年代:20代

Q1. 児童生徒の時、補習校にはどのような印象を持っていましたか?
補習校と現地校との両立は苦しかった。高校で入っていたロボッティクスチームと補習校の時間が重なってしまい、両方とも100%こなせていない自分にがっかりした。それを乗り越えるために何を優先するか、どうこなすか、どのくらいの程度でやるか、優先順位をつけてきた。そのことがマネージメントスキルを磨くことにつながった。

Q2. 補習校に通ったことで、大学や社会で活かせる場はありましたか?
思いがけないところで日本語を通して人と繋がることができたこと。大学で「日本語テーブル」という活動に参加しているが、教授や研究者と英語を使わずに日本のニュースや政治の話ができたのは補習校のおかげだと思っている。

 

 


日米文化の違いを学び
視野が広がった

2020年度W校卒業生
在米期間:20年以上
受験経験:アメリカの大学受験
年代:20代

Q1. 子どもの頃はどんな環境でしたか?
平日は現地の学校に通い、土曜日は補習校に通っていました。補習校に通い、アメリカにいながら日本の文化や世界観に十分に触れることができました。

Q2. 児童生徒の時、補習校にはどのような印象を持っていましたか?
日本から引っ越してきてあまり英語がわからない生徒、アメリカ育ちで日本語があまりわからない生徒、もしくはその間の生徒が一つのクラスに混ざっていることで、小学生でありながら「文化の違い」というものを学べて視野が広がりました。

Q3. 補習校に通ったことで、大学や社会で活かせる場はありましたか?
日本で暮らしている親戚と満足にコミュニケーションが取れることも、自分がバイリンガルと言い切れることも、全て長年補習校に通っていたおかげです。

 

 

幼児から高等2年生までの一貫教育を提供。LI 校/餅つき大会と剣道体験(上)、高等部、幼児部の交流(下)


5年後、10年後に
必ず意味をもつ

2009年LI校卒業生
在米期間:20年以上
受験経験:アメリカの大学受験
年代:30代

Q1. 補習校には何年通っていましたか?
7歳で渡米してから高等部卒業までずっと補習校に通った。補習校に通ったことが5年後、10年後に意味をもったことを実感している。

Q2. 補習校に通ったことで、大学や社会で活かせる場はありましたか?
コーネル大学卒業後、政府の研究機関で働いた。その後アルバートアインシュタイン医科大学を卒業し、現在はコロラド大学で緊急救命医として勤務している。
 補習校で得た経験はいろんな面があるが、日本人のネットワークを広げるという意味で自分のキャリア形成の中では欠かせないものであった。メディカルスクールで米国日本人医師会などを通して奨学金を得たのは補習校での活動が認められたからである。いろんな面で補習校にお世話になってきて、今の自分がある。

 


日本の環境が整う
特別な場所

2009年LI校卒業生
在米期間:20年以上
受験経験:アメリカの大学受験
年代:30代

Q1. 日本の学校から補習校に通った感想を教えてください。
中学2年の4月に入学しました。英語も分からず、現地の友達もほとんどいなかった私にとって、補習校は日本語で話す友達ができ、日本語で学べる環境が整っている特別な場所となりました。

Q2. 補習校での思い出を教えてください。
球技大会やのみの市といった日本の学校ならではの行事を楽しめただけではなく、塾と違って受験を目標としていないので、他の生徒と自分を比較することなく、クラスメイトと仲良くのびのびと過ごすことができました。卒業後も連絡を取り合える仲間と出会って、楽しい思い出をたくさん作れて補習校に通ってよかったなと心から思っています。

 

ニューヨーク補習授業校
Tel 914-636-3770(事務局)
56 Harrison St, Suite 503, New Rochelle, NY 10801
https://www.jwsny.org/

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