青葉被告「こうするしか…」

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共同通信
京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司被告の初公判が開かれた京都地裁の法廷=5日午前(代表撮影)

 「こうするしかないと思った」「こんなにたくさんの人が亡くなるとは思わなかった」。車いすで法廷に姿を見せた青葉真司被告(45)は小さな声で述べた。平成以降最悪の犠牲者数となった2019年の京都アニメーション放火殺人事件の公判が5日、始まった。36人の尊い命が奪われた真相を知りたい。そう願い続けてきた遺族の思いは届くのか。

 午前10時半過ぎ、刑務官に付き添われ、車いすで法廷に現れた青葉被告。丸刈りでマスクを着け、青いジャージーの上下を着ていた。裁判長から名前を尋ねられ「青葉真司です」と答えた。

 青葉被告は事件で全身の9割に重いやけどを負い、皮膚移植などを経て一命を取り留めた。20年6月の勾留理由開示手続きの法廷には、ストレッチャーに横たわった状態で出廷しただけに、回復している様子がうかがえた。

 起訴内容を認めるかどうかを問われると、弁護人から渡された紙を読み上げ「間違いない」と述べた。声が小さく、裁判長から聞き直された場面もあった。

 法廷内には、被害者らの席が50席以上設けられた。