国連で平和祈る献茶式

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共同通信
13日、米ニューヨークの国連本部でお点前を披露する茶道裏千家前家元の千玄室大宗匠(国連テレビから、共同)

 【ニューヨーク共同】21日の国際平和デーを前にニューヨークの国連本部で13日、茶道裏千家(京都市上京区)前家元の千玄室大宗匠(100)が平和を祈念して献茶式を開いた。各国の大使らに「他の国々のために手を貸していかなければいけない大事な時期だ」と連帯を求め、お点前を披露して茶と和菓子をふるまった。

 国連親善大使を務める千さんは、ロシアが侵攻したウクライナの首都キーウ(キエフ)に茶室をつくったこともある。「真の平和が地球に訪れるように願っている」とあいさつした。

 献茶式に先立ち、グテレス事務総長は国連本部で、日本から贈られた「平和の鐘」を鳴らし、紛争解決を呼びかけた。偽情報やヘイトスピーチによって「平和が攻撃にさらされている」とし「世界が結束し、互いを信頼して共に行動する必要がある」と述べた。

 平和の鐘は、太平洋戦争で多くの戦友を失い、後に愛媛県宇和島市長を務めた故中川千代治さんが1954年、国連本部に寄贈。60カ国以上のコインを溶かして造った。