着実に再建進める京アニ

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共同通信
昨年7月、事件から4年の追悼式を終えて取材に応じる京都アニメーションの八田英明社長(左)=京都市伏見区

 「涼宮ハルヒの憂鬱」などのヒット作を世に送り出してきた京都アニメーションは、放火殺人事件で優秀なスタッフを多く失った。国内外のファンの後押しを受け、着実に再建を進め、社員数は事件当時の水準まで回復した。

 スタッフをじっくりと育成するのが強み。表現を細部までこだわり抜いた作品は海外でも高い評価を受けてきた。

 事件では36人が死亡、32人が重軽傷を負った。当時の社員約170人の4割に当たる。青葉真司被告の公判に出廷した八田英明社長は「仕事ができるかどうかという状況になった」と振り返り、売り上げも半分以下に落ち込んだと明かした。

 それでも涙をこらえて作り続けたといい、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」や「Free!」シリーズの映画を相次ぎ公開。代理人弁護士によると負傷者の復帰や新規採用も進み、社員数は今月1日時点で170人程度に戻った。

 映画より労力がかかるとされるテレビアニメ制作も以前のペースを取り戻しつつあり、八田氏は「亡くなった社員に向けて精いっぱいのことをやりたい」と公判で語った。