「裁判に影響」謝罪せず

Published by
共同通信
甲府刑務所=25日、甲府市

 甲府市で2021年10月、一方的に好意を寄せて交際を断られた女性の両親を殺害して住宅に放火したとして、殺人罪などで死刑判決を受けた、当時19歳だった遠藤裕喜被告(21)が27日までに共同通信の接見に応じた。被告は公判を通じて遺族に謝罪しなかったが、接見では、謝罪の気持ちがあったものの「裁判に影響すると思い、言わなかった」と話した。

 18日の甲府地裁判決後、遺族宛ての謝罪の手紙を弁護士に渡したことも明らかにした。一方で、被害者に対する思いは「どう表現すれば良いか分からない」と述べた。

 被告は公判で、謝罪や反省の言葉がない理由を「(裁判所の)心証を悪くしたい」などと説明。18日の判決は「真摯な謝罪や反省の姿勢を示しているとはいえない」と非難していた。

 接見で被告は、死刑を望む考えは公判中と変わらないと強調。「控訴しない」としていたことについては、判決後に接見した福祉の専門家から、裁判でも本心を伝えた方が良いなどと言われたとして「期限まで考えたい」と話した。