2024年、日本経済と円はさらに衰退 なぜもう2度と好景気と円高はありえないのか? (下)

2024年、日本経済と円はさらに衰退
なぜもう2度と好景気と円高はありえないのか? (下)

(この記事の初出は2024年1月2日)

なぜ日本は監視リストから外されたのか?

 中国は懸念するが、日本は放置。それがいまのアメリカ財務省の態度と言える。それは、一昨年のドル円150円突破局面で、日本が為替介入して円買いを実施したにもかかわらず、為替操作の監視対象国のリストから外されたことでわかる。
 アメリカ財務省は半期に1度、「監視リスト」公表する。2023年6月の公表では、長い間リスト入りしていた日本は、初めてリストから除外された。
 これは、「ジャパン・ナッシング(日本無関心)」を意味する。介入など、どうぞ勝手にやればということだ。
 そんな経緯があったから、昨年10月に同じような150円突破局面となったとき、介入が確実視された。実際、円はその後急速に円安ふれ、一気に147円になった。しかし、日本の財務省は10月31日に介入はなかったと発表した。
 同じ局面で1回は介入、2回は介入せず。日本政府は、円安、円高をどちらを望んでいるだろうか?また、どの程度が適正なレートと考えているのだろうか?
 金融関係者は「それがわからない」と嘆くが、私が見たところ、日本政府にはなんの考えもない。

円安、円高のどちらがいいか決められない政府

 岸田政権には経済方針というものがない。岸田文雄首相はもとより、鈴木俊一財務大臣も経済に対しての定見がない。まして、金融政策でなにをすべきかなどわかっていない。
 日本の金融政策は、日銀の金融政策決定会合で、決定する。日銀は政府の金融政策の実行部隊として、「物価の安定」を最大の目標としている。そのために、金利の操作を行う。
 一方、為替介入など為替政策は、財務省の管轄で、為替介入は財務大臣の権限において実施することとされている。しかし、日銀による量的緩和や金利政策が為替に大きな影響を及ぼすことを考えると、金融政策の大筋については財務省の承認が必要と考えられる。
 しかし、財務省と日銀は考え方がバラバラのようだ。もとより、政府には定見がない。その結果、円安、円高のどちらがいいか決められず、円安は長期的に進んで行くだけになるだろう。

(つづく)

 

【読者のみなさまへ】本コラムに対する問い合わせ、ご意見、ご要望は、
私のメールアドレスまでお寄せください→ junpay0801@gmail.com

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。

 

 

タグ :