軍総司令官の解任を否定せず

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共同通信
4日、ウクライナ・ザポロジエ州の前線を訪問したゼレンスキー大統領(中央)(ウクライナ大統領府提供・AP=共同)

 【ローマ、ワシントン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は、ザルジニー軍総司令官の解任を準備しているとの報道について「軍だけでなく、複数の高官の交代」を検討していると述べ、否定しなかった。国営イタリア放送協会(RAI)が4日、インタビューを報じた。「ウクライナを率いるのは誰かという問題だ。リセットが必要になっている」と訴えた。

 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4日放送のCBSテレビの番組で、「人事はウクライナ政府の問題」だとして介入しない方針を示した。ゼレンスキー氏の判断を尊重する考えを強調した。

 ロシアによる侵攻のさなかに国民の信頼が厚いザルジニー氏を解任すれば、国内の結束が揺らぐ懸念が浮上している。米政府はウクライナへの軍事支援をけん引してきたが、この問題からは距離を置く姿勢を明確にした。

 サリバン氏は、政府高官の人事については「明らかにウクライナの主権であり、ゼレンスキー氏の権利だ」と指摘。「特定の決断には巻き込まれない」との米政府の方針をウクライナ政府に直接伝えてきたと説明した。