中傷投稿に「いいね」賠償確定

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共同通信
1月、記者会見する杉田水脈氏

 性暴力被害を公表したジャーナリスト伊藤詩織さん(34)が、自身を中傷した交流サイト(SNS)の投稿に「いいね」を押した自民党の杉田水脈衆院議員に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(安浪亮介裁判長)は杉田氏側の上告を退ける決定をした。8日付。杉田氏に55万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 他者の中傷投稿に「いいね」を押すことが不法行為に当たるかどうかを巡る訴訟が最高裁で決着したのは初めて。今回はあくまで国会議員の影響力などの個別事情も考慮された訴訟だったが、加害の意図を持ち安易に「いいね」を押した場合に賠償責任が生じる可能性が示され、一定の抑止力になりそうだ。

 二審東京高裁判決によると、伊藤さんの性被害についてツイッター(現在のX)に「枕営業の失敗」「ハニートラップ」などと中傷した他者による25件の投稿に対し、杉田議員が2018年6~7月に「いいね」を押した。一審東京地裁判決は請求を棄却していた。