H3ロケット2号機打ち上げ

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共同通信
模擬衛星と2機の超小型衛星を載せ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH3ロケット2号機=17日午前9時22分(共同通信社ヘリから)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日午前、国産新型ロケット「H3」の2号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた。昨年3月の1号機失敗を踏まえ、当初予定した衛星実機ではなく性能確認用の模擬衛星を載せ、超小型衛星2機を相乗りさせた。

 計画では、離陸の約5分後に1段目を分離して2段目エンジンを点火。約17分後と約25分後に超小型衛星を分離する。2段目エンジンの再点火を経て、約1時間50分後に模擬衛星を分離する試験を行う。

 H3はJAXAと三菱重工業が開発した2段式の液体燃料ロケットで、現在の主力「H2A」の後継機。1号機では新開発の主エンジンは作動したが、H2Aと共通部分も多い2段目エンジンが点火せず、失敗した。2号機には点火装置を改良するなど対策を取った。

 H3は今後20年、日本の宇宙輸送を担う基幹ロケットに位置付けられる。世界で需要が拡大する衛星打ち上げビジネスへの本格参入も視野に入れる。米主導の国際月探査「アルテミス」計画でも活用が見込まれる。

H3ロケット2号機が見える公園で打ち上げを待つ親子=17日午前8時15分、鹿児島県南種子町