医療コンテナ被災地で活躍

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共同通信
石川県珠洲市立宝立小中の避難所に設置された医療用コンテナ「モバイルクリニック」=1月

 能登半島地震で被害を受けた石川県内の避難所や医療機関に、箱形の医療用コンテナが設置され、感染症が疑われる避難者らを診察する簡易的な診療所として活躍している。医療従事者と患者の接触の減少や空間内のウイルス除去など感染症対策に必要な機能が備わり、「落ち着いて診察でき、助かっている」との声が上がっている。

 石川県珠洲市立宝立小中の避難所では1月下旬、到着したコンテナを活用した診察が始まった。災害医療団体「災害人道医療支援会(HuMA)」の医師らが常駐する救護所内でけがなどの手当てを行う一方、発熱した患者らはコンテナ内に誘導し、新型コロナウイルスなど感染症の検査を行っている。

 このコンテナは「モバイルクリニック」と呼ばれ、2020年5月、コロナ流行下の発熱外来診察に使うため、複数の企業が共同開発した。開発に携わった神戸市の「ヴィガラクス」代表の横山和也さん(42)によると、細菌やウイルスを取り除く陰圧設備を搭載。約8畳が2室に分かれ、医療従事者と患者の接触を減らすことも可能だ。