日本人ヤクザを密輸で起訴

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共同通信
武器取引を信用させるためにおとり捜査官が用意したロケットランチャーを構えるエビサワ・タケシ被告=2021年2月、デンマーク・コペンハーゲン(裁判資料から、共同)

 【ニューヨーク共同】米東部ニューヨークの連邦地検は21日、ミャンマーの反政府組織を通じて他国にウランや兵器級のプルトニウムを含む核物質を密輸しようとしたとして、大陪審が日本人の男を起訴したと発表した。「ヤクザによる国際犯罪組織」の犯行だとしているが実態は不明。捜査で実際に核物質が検出されたという。

 地検によると、男はエビサワ・タケシ被告(60)。2020年に武器と麻薬の密売業者を装った米麻薬取締局(DEA)のおとり捜査官に接触し、ミャンマーの反政府組織との核物質の取引を持ちかけたとされる。

 捜査官が協力者をイラン軍高官と偽って紹介すると「強力だ」としてプルトニウムの売却を提案。21年5月にはミャンマーの反政府組織リーダーが要求する地対空ミサイルなどの武器リストを捜査官に提示し、組織が核物質を提供する見返りに武器を受け取りたいとの意向を伝えたという。

 捜査官が22年2月に東南アジアでエビサワ被告と組織の仲介者らと会った際に受け取ったサンプルを検査した結果、実際にウランやプルトニウムが検出された。