米次官補、習氏の安保構想を批判

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共同通信
クリテンブリンク米国務次官補

 【ワシントン共同】クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は21日、冷戦思考による陣営化に反対する中国の習近平国家主席の国際安全保障構想を批判した。ワシントンにあるシンクタンク大西洋評議会の会合で演説し、構想は国連憲章が明記する集団的自衛権を認めていないとして「国連憲章と矛盾する」と訴えた。

 バイデン米政権は、中国が国際秩序をつくり替える意思と能力がある唯一の国とみて警戒を続けている。

 クリテンブリンク氏は、米国と互角に渡り合う大国の地位確立を狙う習氏が2022年4月に国際経済討論会「博鰲アジアフォーラム」で発表した中国主導の「グローバル安全保障イニシアチブ」について「小国よりも大国の安全保障上の利益を優遇している」と非難した。

 習氏が国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を後押しするとして21年に提唱した「グローバル発展イニシアチブ」も批判。中国が新興・途上国に、従来の国際秩序の原則から逸脱した自国の構想を承認するよう求めていると問題視した。