能登地震の倒壊家屋、元日のまま

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共同通信
石川県輪島市の「輪島朝市」周辺に残る焼け焦げた車両=1日午前

 発生から2カ月となる1日になっても、多くの家は倒壊したままで元日と変わらぬ光景が広がる。能登半島地震で大きな被害を受けた石川県ではいまだに1万人以上が避難所にいて、自宅に戻った人も断水などで不自由な生活を強いられている。「大変だけど一歩一歩進むしかない」。輪島朝市の焼け跡に早朝から手を合わせる人の姿も見られた。

 朝市近くに住む主婦(77)は倒れかけた家屋を指さし「早くつぶしてくれないと危なくて」とつぶやく。道路には屋根瓦やくぎが散乱したままで「ちょっと歩くだけでも危険を感じる」。

 珠洲市飯田町の浜田博司さん(80)は応急危険度判定で「危険」とされた自宅の再建をあきらめ、金沢市の賃貸住宅に家族4人で移る。「未練もあるが2カ月の避難所生活の大変さは体験しないと分からない」と話した。

 津波の被害が大きかった珠洲市三崎町では地面が隆起した波打ち際に船や家電、布団などが残されたまま。川端国夫さん(73)は「崩れた建物も撤去してもらわないといけないが、いつになったら業者が来るのか」と力なく話した。