民間ロケット打ち上げ延期

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共同通信
発射場「スペースポート紀伊」で打ち上げを控えた小型ロケット「カイロス」1号機=9日午前10時45分、和歌山県串本町(共同通信社ヘリから)

 宇宙事業会社スペースワン(東京)は9日午前、和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から予定していた同社の小型ロケット「カイロス」1号機の打ち上げについて、日程を延期すると発表した。打ち上げ時刻も当初の午前11時1分から17分に変更していた。

 和歌山県の岸本周平知事は串本町で記者団に「ロケットの不具合ではなく、設定された警戒海域に船舶が入り込んだためと聞いている」と明らかにした。

 スペースワンは日本初となる民間発射場からの打ち上げを目指している。搭載した政府の小型衛星を投入できれば、こちらも民間単独では国内初となる。

 カイロスは全長18メートル、重さ23トンの小型の固体燃料ロケット。搭載された小型衛星は、北朝鮮の軍事施設の動向把握などで政府が活用する情報収集衛星が故障した際に代替する機能がある。

 スペースワンはキヤノン電子やIHIエアロスペースなどが出資して2018年に設立。同社は小型ロケットを使い、高頻度で宇宙に送り届ける「宇宙宅配便」の事業化を目指している。

和歌山県那智勝浦町にあるロケットのモニュメントの前で記念撮影する人たち=9日午前7時44分