英王室との「絆」に不安

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共同通信
1998年5月、公式晩さん会でエリザベス英女王(右端)らと記念写真に納まる天皇、皇后両陛下(現上皇ご夫妻)=ロンドンのバッキンガム宮殿(共同)

 【ロンドン共同】上皇ご夫妻が1998年、天皇、皇后に即位後初めて英国を訪問する前、英王室との結び付きが十分ではないとの不安を示されていたと日本側が英側に伝達していたことが16日、機密解除された英国立公文書館の文書で判明した。上皇さまは過去に何度か訪英していたが、他の皇族のように親密な関係を築けていないことを懸念していたという。

 機密解除された資料は、英外務省高官だったデビッド・ライト氏が94年9月にジョン・ボイド駐日英大使らに送った書簡。それによると、ライト氏は沼田貞昭駐英公使からご夫妻の懸念を伝えられ、皇室と王室の関係強化の方策を話し合った。

 ライト氏は「ご夫妻には秩父宮妃や三笠宮家、常陸宮家のような長年にわたる個人的なつながりという確固たる基盤に欠けていた」と説明。さらに、皇太子さま(現天皇陛下)や秋篠宮さまら若い世代も英国留学を通じて英王室との関係を深めたことにより「エリザベス女王(当時)夫妻との緊密な関係が欠けているとの(ご夫妻の)不安を高めることになった」と指摘した。