遠のく水俣病救済、落胆隠せず

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共同通信
水俣病特別措置法を巡る訴訟の熊本地裁判決後、報告集会で気勢を上げる人たち=22日午後、熊本市

 「まさかこんな判決になるとは」。水俣病特措法による救済の対象外となった人たちが損害賠償を求めた訴訟で、熊本地裁は22日、請求を棄却した。原告全員を水俣病と認めた昨年9月の大阪地裁判決とは正反対の判断。典型的な水俣病の症状がありながら救済から漏れてきた被害者の多くは高齢者で、遠のいた早期救済の道に落胆の色を隠せなかった。

 午前11時過ぎの地裁前。「不当判決」と書いた紙を弁護士らが掲げると、原告らは目に涙をため、ぼうぜんと立ち尽くした。原告団長の森正直さん(73)は「私たちの言い分を全く聞いていない。受け入れられない」と怒りをあらわにした。