アメリカ東海岸およびメキシコ湾岸の港湾労働者が1日、ストライキに突入した。バイデン政権は介入しない方針で、ストは長期化の可能性が高まっている。一部の物資の供給網が寸断され、価格上昇や品不足の懸念が出始めた。USAトゥデーが2日、伝えた。

(3日、クィーンズ)Photo: Keiko Tsuyama
心配なのははまず、「魚介類」。アイスランドやカナダからのタラ、タイやエクアドルからのエビなどは冷凍輸送が必要となり、貨車を使うことができない。携帯電話、コンピューターなどの「電気製品」も多くがベトナムやインドネシアから東海岸に海上輸送されている。「医薬品」は、空輸も可能だがコスト高。労使交渉が1カ月以内にまとまらなければ、品不足になりかねない。
さらに「車および車のパーツ」。特に欧州車で影響が大きい。「機械類のパーツ」は、ステンレス鋼や精密機械の供給も停滞する恐れがある。「アルコール類」は、欧州、南ア、カリブ海諸国から輸入されるビール、ワインなど。「バナナ」の75%は東海岸およびメキシコ湾岸の港湾に荷揚げされる。安価なため空輸には適さない。
「ホリデーシーズン用おもちゃ、ギフト類」。西海岸の港湾から貨車やトラックを使うという方法もあるが、コスト高。大手小売チェーンはコストを吸収できるが、小規模小売店は死活問題に発展する恐れがある。
ストに入ったのは国際港湾労働者協会(ILA)に加盟する4万5000人。1977年以来初めてのことだ。コロナ蔓延時を彷彿させるサプライチェーンの分断で、大豆などの輸出もできずにいる。パーツ不足から操業停止や従業員のレイオフを強いられ、米経済は1日50億ドルの損害を被るとの試算もある。やっと収まりつつあるインフレも再燃しかねない。消費者がパニック買いを始めたとの報道もある。
編集部のつぶやき「近所のしっかりママは?」
近所のしっかりママ、マリーアは早速、トイレットペーパーとパントリーの食品補充をしたというから、さすが!一方、港湾労働者は、エッセンシャルワーカー。彼らがパンデミック時も休みなく働いたから、スーパーにはちゃんと品がそろっていた。その「対価」はあってもいいのでは?(KT)
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