ウォーターピッチャー内に生えるカビと、人体に及ぼす害や正しい清掃頻度について21日付けのウォール・ストリート・ジャーナルがレポートしている。

微生物学者で、大手の水道・下水処理会社の環境責任者だったマーク・ルシェバリエさんによると、カビは空気と水に存在し、冷たくて暗い冷蔵庫内では成長は遅れるものの、完全に止まるわけではないという。見た目は不快だが、水と一緒に摂取した場合、健康問題を引き起こす可能性は低いが、カビの量が非常に多い場合、水は飲用不能になる可能性がある。一般的にフィルターは本来の役割である塩素の除去や一部の重金属の除去に効果的だが、フィルターの種類によっては除去した汚染物質や有機物質で詰まるため、定期的に交換する必要があるとルシェバリエさんは解説する。
塩素が除去されると、ピッチャー内は「細菌が繁殖する最適な環境」になる。ピッチャー内の水に含まれる細菌の量は必ずしも人体に有害なレベルではないが、フィルターに微量の金属が蓄積し始めると、それらが水に溶け出し、蛇口から出る水よりも高い濃度になることがある。 「これが、企業がフィルターを定期的に交換するよう推奨する最大の理由だ」とルシェバリエさん。
ブリタの製品開発部門の科学者、キャメロン・キングさんは、標準的なピッチャーフィルターを2カ月ごと、または40ガロンごとに交換し、延長使用が可能なフィルターは半年ごとに交換することを推奨している。キングさんは、ピッチャーを数週間ごとにキッチン用の中性洗剤と水で洗浄するだけで、カビの発生を防ぐのに十分だと説明している。
ピッチャー内のカビと細菌は最も心配すべき問題ではないとするのはパデュー大学工学部助教で「飲料水システム内で成長する微生物生態系全体」を研究するケイトリン・プロクターさんだ。プロクターさんによると、カビは摂取しても人体に害を及ぼさないが、カーボンフィルターは、肺炎に似たレジオネラ症を引き起こすレジオネラ菌や、「脳食いアメーバ」とも呼ばれ致死率が非常に高いアメーバ性髄膜脳炎(PAM)を引き起こすナエグリア・フォーレリなどの一部の感染性病原体を殺菌したり濾過したりしない。ピッチャーを十分に洗わないと内側に粘液状のバイオフィルムが付着し、それらの病原体にとって理想的な生育環境となる。
プロクターさんは、これらの有害物質は通常、摂取することで人体に害を及ぼさないが、誤って吸い込んだり、目や脳の近くに触れたりすると深刻な問題を引き起こす可能性があると警告。夏に人気のウォーターパークのような施設では、水が鼻腔や目、場合によっては肺に直接噴射されるため、病原体が拡散するリスクがあるとして、プロクターさんは推奨していない。同様に鼻腔洗浄用のネティポットについても、「脳の近くにある鼻に何かを入れるなら、沸騰させて殺菌した後、使用前に冷まして使用すること」とアドバイスしている。
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