帰国生中学・高校入試は、年々多様化が進んでいます。かつては1月の本試験を目標に準備するのが主流でしたが、近年では11月下旬からオンライン型入試や海外現地入試を実施する学校も増加し、保護者による戦略的な計画がこれまで以上に求められています。この夏は、そんな入試に向けた「助走期間」として、次の5つの準備に取り組むことをおすすめします。
1.入試スケジュールの全体整理
まず最優先で取り組みたいのが、志望校の入試スケジュールの整理です。11月下旬から現地入試やオンライン入試を実施している学校もあり、複数の入試日を設ける学校も少なくありません。カレンダーで「出願開始日」「試験日」「結果発表日」を一覧化しておくことで、受験戦略を柔軟に立てることができます。
2.出願書類の準備・調査
学校によって必要な書類は異なりますが、成績証明書、在籍証明、推薦状、自己紹介書、保護者の志望理由書などが代表的です。書類の準備には、現地校との連携、翻訳の依頼、郵送スケジュールの確認など、意外と多くの時間と手間がかかります。夏のうちに志望校の出願要項を確認し、タスクをリスト化しておくと、秋以降の準備が格段にスムーズになります。
3.面接対策の“土台作り”
帰国生入試では面接が重視される傾向があります。志望動機や将来の目標を「自分の言葉で語る力」が求められます。夏の段階では、形式的な練習ではなく、家庭内で自然に会話を重ねることが有効です。「なぜこの学校を受けたいのか」「どんな学校生活を送りたいか」といった問いを、リラックスした環境の中で話すことが、やがては面接での自信につながります。
4.学校説明会・相談会の参加計画
9月以降、各校のオンライン説明会や個別相談会が本格化します。日本時間での開催が多いため、アメリカ在住の場合は深夜〜早朝にあたることもあり、事前のスケジューリングが欠かせません。資料請求だけでは分からない学校の雰囲気や、帰国生への対応方針を直接聞ける貴重な機会です。可能であれば、複数校の相談会に参加し、比較検討の材料を集めておきましょう。
5.家庭での対話と心理的サポート
最後に大切なのが、子どもの気持ちに寄り添う時間です。帰国生入試は、単に学力を問うものではなく、「本人が納得して選ぶ学校にどう導くか」がカギとなります。希望と不安を共有し、「自分で決めた」という感覚を育てることが、モチベーションと自信につながります。
この夏をどう過ごすかで秋以降の準備の質が変わります。「情報を集めて行動する保護者のサポート」は、帰国生受験における最強の武器です。ぜひ、親子で一歩ずつ、丁寧に進めていきましょう。
稲田アカデミー ニューヨーク校
https://www.waseda-ac.co.jp/abroad/school/newyork.html
早稲田アカデミーNY校 川村宏一(かわむら こういち)

早稲田アカデミーUSA取締役・NY校現地代表。2002年に早稲田アカデミーに入社後、校舎で7年間にわたり講師を務め、その後、高校受験部門で英語科目の責任者を担当。現在の早稲アカ英語科システムの礎を築いた後、国際部に異動し、英語専門校舎の統括責任者に就任。2023年3月から現職。早稲田アカデミーの教育理念である「本気でやる子を育てる」を、海外においても実践している。お問い合わせはこちらまで(メール:newyork@waseda-academy.com)
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで








