2025年9月26日 NEWS DAILY CONTENTS

NY市長選まであと1カ月、マムダニ & クオモ候補へ「10の質問」尊敬する政治家は? 好きな映画は?

11月4日に実施されるニューヨーク市長選の民主党候補者、ゾーラン・マムダニ州議会議員(33)と無所属から出馬しているアンドリュー・クオモ前知事(67)にニューヨークタイムズが、政策課題から地下鉄で好きな座席まで、幅広いテーマで10の質問をし、24、25日伝えた。

マムダニ氏(photo: Dmitryshein / https://commons.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Dmitryshein&action=edit&redlink=1)

ゾーラン・マムダニ氏

クイーンズ選出の州議会議員マムダニ氏は、知名度の低い新人から一転してニューヨーク州のホークル知事やハリス元副大統領から支持を獲得し世論調査でも先行。経験不足を指摘する対立候補たちに対し、独自の政策と姿勢を示している。

マムダニ氏は警察官の数は現状維持とし、代わりに「地域安全保障局」を設立しメンタルヘルスやホームレス対応を担わせ、警察は重大犯罪に集中できる体制を構想する。住宅問題では、借り手が仲介手数料を負担しない新法を支持すると答え、適正な住宅市場の実現に意欲を示した。トランプ大統領が州兵を派遣した場合には、法務部の弁護士を増員し、市・州・連邦の連携で違法性を争う方針だとした。

財政面では教育予算の無駄を精査し、教室に直結する支出を優先すると強調。政策実現の財源は富裕層への所得税引き上げと企業課税を提案し、代替策としても州・市予算の余剰を活用できるとした。かつて「警察は人種差別的で、性的少数者を排斥し、公共の安全に対する重大な脅威である」と発言したことについては、2020年のジョージ・フロイドさん殺害事件後、苛立ちが頂点に達した際に発した言葉だとして、現在は訂正し謝罪する考えを示した。

尊敬する政治家は、ボストンのミシェル・ウー市長、ミネソタ州のティム・ウォルツ知事、ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェームズ氏。好きな映画は、スパイク・リー監督の「ドゥ・ザ・ライト・シング」。メッツのファンであることを明かした。地下鉄には数日に一度乗り、4番の席(窓側の席)を好むと答えた。

アンドリュー・クオモ氏

クオモ氏photo: Delta News Hub / https://www.flickr.com/photos/deltanewshub/48980987473/)

クオモ氏はかつてニューヨーク州知事を3期務め「州内で最も影響力ある人物」とされたが、6月の民主党予備選ではマムダニ氏に敗北、現在は「挑戦者」として再起を図っている。

治安については、現行約3万5000人の警察官の数を「4万人に増員すべき」と明言。住宅問題では、ブローカー手数料の禁止法を支持。連邦予算削減への対応では「各事業に無駄がある。肉ではなく脂肪を削る」と、経験に基づき柔軟に削減を行うとした。

トランプ大統領が州兵を派遣した場合には、提訴すると断言。州兵の派遣自体を阻止すると宣言した。知事だった時、トランプ氏との話し合いで州兵の派遣を阻止したこと、住宅や医療、交通などの資金削減やパンデミック時の対応、不法移民の運転免許リスト要求など、「トランプ氏からの度重なる圧力にも屈しなかった」と強調した。

また、トランプ氏との関係について問われると、「彼からの支持は受け入れない」と明言。一方で撤退が囁かれるアダムズ市長からの推薦の可能性については言及を避けつつも否定しなかった。さらに「最終的には全てのニューヨーカーに協力を求める」と、党派を超えた支持拡大を意識する姿勢を見せた。

支持率首位のマムダニ氏については「売春合法化や刑務所反対など極端な政策は、市民の半数以上に支持されない」と批判。共和党のスリワ候補に対しては「トランプは彼を好まない」とし、共和党内の対立を利用する考えも示した。

贔屓のスポーツチームについての質問には「ヤンキース、メッツ、ジェッツ、ジャイアンツ、ビルズ全て平等に愛する」と述べ、好きな映画は、マーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」を挙げた。地下鉄は週1〜2回利用し、座席では「窓側が好き」と答えた。

長年トップの座にあったクオモ氏だが、今回は追う立場。本人は「敗北するつもりはない」と強調しつつも、「これが最後の選挙とは限らない」と将来への含みも残した。

                       
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