2025年12月28日 NEWS DAILY CONTENTS

世界のコーヒー事情をのぞいてみた、15カ国の飲み方と習慣

Kelly Sikkema

世界中の人たちから愛されるコーヒー。長い歴史の中、国や地域によって独自のスタイルが発展してきた。グルメサイトのチョウハウンドが、15カ国のコーヒー文化を紹介している。

1. エチオピア|ブンナ(コーヒー儀式)

特製ポットのジェベナでコーヒーを淹れるのは女性の役目(photo: Unsplash / Yosef Futsum)

コーヒー発祥の地とされるエチオピアでは、豆をその場で焙煎し、香りを楽しむ伝統的な「ブンナ儀式」が日常的に行われている。特製ポットのジェベナで淹れ、3杯のコーヒー(アボール、トナ、ベレカ)でゲストをもてなす。ハーブや塩で味の変化を楽しむのが特徴だ。

2. アラビア半島|カフワ

デーツなどの果物やお菓子と一緒に楽しむ。写真はイメージ(photo: Unsplash / Malak kassem)

イエメンで誕生したといわれるアラビア風コーヒー。ショウガやカルダモン、サフランなどのスパイスを使い、地域で味が異なる。大きなポット「ダッラ」で振る舞われ、もてなしの象徴とされる。

3. インド|カーピ

南インドのミルクコーヒー、カーピ(photo: Unsplash / Dhruv Pulipaka)

チコリを加えた独特の風味が特徴。真鍮フィルターで抽出し、砂糖と温めた牛乳を「ダハラ」と呼ばれるカップ&ソーサーで高い位置から注ぎ混ぜ、泡立たせる。南インドの家庭で広く飲まれている。

4. ベトナム|カフェ・スアダ(練乳アイスコーヒー)

金属フィルター「フィン」で濃く抽出したコーヒーに練乳と氷を加える定番の一杯。街のカフェは深夜まで営業し、社交の場として愛されている。

5. メキシコ|カフェ・デ・オジャ

名前の由来は陶器のポットから。陶器で煮込むことにより、土っぽい風味が加わる(photo: Unsplash / Joseph Cortez)

シナモン、クローブ、黒糖(ピロンシージョ)を陶器のポットで煮込む、革命時代から続く伝統飲料。甘くスパイシーな味が特徴。

6. ブラジル|カフェジーニョ

沸騰直前の湯に砂糖とコーヒー粉を直接加え、濾すだけ(photo: Unsplash /M Grate Pest)

ブラジル人の生活に欠かせない濃厚な「小さなコーヒー」。細かく挽いた豆と砂糖を使い、濃い焙煎で淹れた小さくて濃い、甘みのあるコーヒー。砂糖入りで提供され、ブラジルの人たちは家庭や職場、街角で、1日に何度も飲む。

7. 日本|コンビニコーヒーと自販機文化

日本中いたるところにある自動販売機。異国暮らしの日本人にはある種、郷愁を誘う風景だ
(photo: Unsplash / Nelemson Guevarra)

日本ではコンビニの抽出コーヒーや缶コーヒー、自動販売機が圧倒的に身近。カフェ文化も広がり、スターバックスなどのアメリカ発のコーヒーショップチェーンや、ドトールコーヒーなどのセルフ式コーヒーショップチェーンが学生やビジネス層に浸透している。

8. フィンランド|カハヴィ

フィンランドでは、国が定めた「コーヒー休憩」がある(photo: Unsplash / fandilla dp)

世界有数のコーヒー消費国。軽い焙煎のフィルターコーヒーが主流。甘い物やパンなどと一緒に楽しむことを「プッラカハヴィト」、で、コーヒー休憩のことを「カハヴィタウコ」と呼ぶ。

9. オーストラリア/ニュージーランド|フラットホワイト

1980年代に誕生。ミルクの泡が平ら(フラット)なことからこの名前が付いた(photo: Unsplash / Niklas Ohlrogge (niamoh.de))

ミルクの甘みとエスプレッソを調和させた人気のカフェメニュー。ラテより泡が少なく、コーヒーの味がしっかり感じられる。

10. コロンビア|ティント

黒砂糖の塊を入れて、甘くして飲む。写真はイメージ(photo: Unsplash / Kelly Sikkema)

「ティント」とは赤色の意味で、コロンビアではコーヒーを「ティント」と呼ぶ。安価な豆を長時間かけて濃く煮出したもので、砂糖を入れて甘くしたり、シナモンなどのスパイスを加えることもある。「Tinto Campesino(農民の味)」として親しまれている。

11. トルコ|トルココーヒー

砂の熱はポット全体に均一に行き渡るため、まろやかでコクのある味となる(photo: Unsplash /Yigit Danaci)

細かく挽いたアラビカ豆と水を、「チェズヴェ」と呼ばれる専用ポットに入れ、熱した砂でじっくり煮出す濃厚かつ香り豊かなコーヒー。カップに粉を沈殿させて飲み、トルコのお菓子、ロクムやバクラヴァとの相性も抜群。伝統は今も健在。

12. セネガル|カフェ・トゥーバ

スパイス「セルム(ディアル)」を加えた香り高いコーヒー。宗教指導者が広めたとされ、今も国民的飲料として親しまれている。

13. ロシア|ラフコーヒー

エスプレッソ、クリーム、砂糖を一緒にスチームして泡立てる甘い飲み物。地元チェーンが普及させ、ロシア独自の人気メニューとなった。

14. ベネズエラ|グアヨヨ

お湯をたっぷり使って軽く淹れる飲みやすいコーヒー。ポットで抽出し、アメリカーノよりも薄めでマイルドな味わいが特徴。

15. インドネシア|コピ・トゥブルック

「トゥブルック」はジャワ語で「ぶつかる」という意味。熱湯とコーヒーの粉がぶつかる様子を表している(photo: Unsplash /Yuriy Vinnicov)

カップにコーヒーの粉と砂糖を入れ、熱湯を注ぐだけのシンプルな飲み方。地域によってドリアンやスパイスを加えるアレンジもある。カップの底に粉が残るので、インドネシア以外の国では「泥コーヒー」とも呼ばれている。

まとめ

世界のコーヒー文化は実に多様で、飲み方にはその国の歴史・生活・風土が反映されている。共通しているのは、コーヒーが人と人をつなぐ「コミュニケーションツール」であることだ。

                       
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