遠隔学習で「忘れられた子どもたち」 テクノロジー格差が浮き彫りに

 ニューヨーク市内の公立学校は23日からオンラインによる「遠隔学習」に移行した。ところが、授業を受けられない「忘れられた子どもたち」がいる。浮き彫りになったテクノロジー格差についてニューヨークタイムズが26日、報じた。
 アリア・フィリップスさん(10)はマンハッタン区のホームレスシェルターで生活している。支給されたアイパッドを使ってみると画面には何も映らない。インターネットがなかったのだ。27日にネット内蔵機器が届く予定だが、それまでは母親のスマートフォンを利用するという。
 市教育局(DOE)は公立学校の生徒のうち約11万4000人がシェルターなど不安定な住居に住んでいると推定。市社会福祉局によると、450カ所のシェルターのほとんどでWi-Fiのアクセスがない。
 非営利団体ウィンが提供する家族用シェルターに住む1600人の生徒のうち1400人には26日夜になってもアイパッドが届いていない。同団体の責任者はホームレスの子どもたちの学習の遅れを懸念。DOEのカランザ局長は「家庭間でテクノロジー格差がある。全ての子どもたちに必要なデバイスを早急に供給するよう努める」と釈明した。