ニューヨーク州のクオモ知事(民主党)による2冊目の回顧録、「米国の危機:COVID-19のパンデミックから学ぶリーダーシップ・レッスン」が13日に発売した。しかし、同書籍の内容や出版のタイミングが物議を醸している。ウォール・ストリート・ジャーナルが11日、報じた。
この本でクオモ知事は、4月にホワイトハウスを訪問した際に、大統領の机の上に「NYSクリーン」ブランドのハンドサニタイザーを置いてきたエピソードなどを公表。他にも「第2派に効果的に対応するため、第1波の経験から学んだことをまとめた」と説明している。
これに対し、ホワイトハウスのジャッド・ディア報道官は「本を書いている暇があったら、コロナから州民を守ることに力を注ぐべきだ」と呆れ顔。共和党からも「州内で陽性反応者が増加しているのに、本を出すのはいかがなものか」と批判の声が上がっている。書店関係も「学んでいる最中で、機が熟していない」「ニューヨークは、あくまでニューヨーク。米国全体のレッスンとして通用しない」として及び腰だ。
クオモ知事は今後、ニューヨーク市内の団体などが企画するオンラインの出版記念イベントに参加する予定だ。2014年に出版された1冊目の回顧録は20万部印刷されたが、実売は3700部にとどまった。