量り売りのキャンディを求めて、列を作るニューヨーカー。そこには子どもの姿はほとんどなく、大人ばかり。そんな風潮を加速させたのが、2024年9月にオープンした「リトル・スイート・トリート(lil sweet treat)」だ。今回は、オーナーのエリー・ロス(Elly Ross)さんにオープンの経緯や今後の展望など、話を聞いた。

幼少期を彷彿とさせる、量り売りタイプのキャンディショップ。入り口でスコップを手に取り、パウチに好きなキャンディを放り込んでいき、レジに持っていく。1日分のおやつにしようと思ったら、相場は1人10〜20ドルくらいだろうか、まさにキャンディの大人買いだ。
◆ 「人と分け合って食べることが好きだった」
そんなキャンディの大人買い熱を高めたのが、リトル・スイート・トリート。オーナーのエリーさんは20代とまだ若く、もともとテック関連のスタートアップ企業で働いていたが、キャンディの “純粋な喜び” をビジネスにしたいと立ち上がった。

「私は食べること、特に人と分け合って食べることが大好きで。よく旅行に行っては、各地のスナックを買ってスーツケースに詰め、それを家族に配っていた。シンプルだけど、ピュアな楽しさをシェアできるようなお店を作りたかったんです」

そんなエリーさんの体験に基づくかのごとく、お店には世界中のキャンディが日替わりで置かれている。「ヨーロッパを中心にブラジルやオーストラリアなど、さまざまな国のキャンディを取り扱っていますが、もっと広げたい。今年はアジア圏から仕入れることも目標なんです」
◆ SNSを味方につけ、初日から大盛況
とはいえ、世界中のキャンディを買える場所など、ニューヨークではそう珍しくもなさそう。なぜ同店は注目され、1号店オープンからわずか2カ月後に、この街の看板ビルともいえるロックフェラーセンター内に2号店をオープンすることができたのか。
「SNSはこの事業にとって大きな役割を担ってくれており、たくさんの人にお店の存在を知ってもらうきっかけとなりました。1号店がオープンする際は、店舗のリノベーションから全過程を動画にして発信。ビジネスの良い部分だけではなく、ダウンサイドもすべて見せたかったんです」

そんなコンテンツに人々は引き寄せられ、初日はオープンを待ち焦がれた人々で大行列。「コミュニティがサポートしてくれたことがとてもうれしかったし、これからももっと強いコミュニティを作って行きたい」と、エリーさんは笑顔を見せる。

今後も店舗の拡大はもちろん、とにかくキャンディの種類(国)を増やしたいとのこと。「私たちのキャンディを、誕生日やベビーシャワー、卒業の時、古い友人との再会・・・と、さまざまな場面で使ってくれていることもうれしくて。この仕事が大好きで、お店に足を運んでくれるお客さんの顔を見ると幸せになりますね」
取材・文・写真/ナガタミユ
lil sweet treat
【ウエストビレッジ店】
住所
184 7th Ave,
営業
11:00-23:00
【ロックフェラーセンター店】
住所
30 Rockefeller Plaza, Rink Level
営業
11:00-20:00
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/lil.sweet.treat/
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