豊富なパンやスイーツ、肉や果物がずらりと並ぶ会員制倉庫型コストコ。まとめ買いができることから家族連れなどには重宝されているが、売れ残ったらどうなるの?まさかすべて廃棄? そんな疑問に、日本とアメリカ、それぞれの答えがあった。

アメリカのコストコでは、売れ残ったパンやケーキ、クッキーなどのベーカリー製品を、フードバンクや食品パントリーに寄付するのが基本となっている。撤去された商品は一時的に冷蔵保存され、賞味期限や外観に問題がないかを現地のボランティアが確認。そのうえで、必要とする家庭に無償で配布される仕組みだ。
この活動を支えるのが、全米規模の慈善団体「フィーディング・アメリカ(Feeding America)」。コストコはこの団体の主要パートナーとして、食品のほか現金の寄付も行っている。税制面の優遇措置もあり、企業にとっても合理的な仕組みが整っている。
日本のコストコでも在庫管理を徹底し、商品を無駄にしない体制を構築している。販売が難しい商品の一部(パッケージ不良など)は、「セカンドハーベスト・ジャパン」などのフードバンクへ提供。さらに注目されるのが、動物への提供というユニークなルートだ。
2023年から始まった取り組みでは、乗馬クラブや動物園と連携し、生鮮食品の寄付が行われている。ここで活用されるのは、単なる売れ残りに限らず、精肉の加工段階で本来は廃棄される部位や、生鮮規格外の食品も対象となる。これらは人への寄付には向かないが、動物が食するにはまったく問題がない。廃棄を前提としていた食材が、“命を支える栄養源”として新たな役割を果たしている。
廃棄するのではなく、活かしきる。その発想が、日本とアメリカのコストコの現場を静かに支えている。
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