ニューヨークでの生活では驚きが「スタンダート」と化している。筆者は28歳、昨年の夏に憧れのニューヨークにやって来た新参者だ。日本(神戸)で人生の大半を過ごしたせいか、いちいちビックリするようなことが毎日のように起こるので、文化の違いやカオスな出来事を中心にポップにつづっていくことにした。
〜 男ウケする格好って何? 〜
前回のエピソードでは、「大阪・関西万博」に行った際のファッションについて書いたが(こちら)、もうひとつ、日本-ニューヨークのファッションについて気になることがある。それは “男ウケする格好” だ。

日本に昔からあるこの “男ウケする格好” と言われるファッションたち。「抜け感」とも表現されることが多いが、筆者はこれが昔からどうも好きなれず、学生時代からずっと困っていた(笑)。
「肌は見せすぎず、ちょい見せが良いらしいよ」「デコルテ部分を綺麗に見せて、好感度アップ」「コーデはニュアンスカラーで統一」「夏場の白いワンピースは王道だね」「メイクは透明感、血色感」どこの誰かたちが作り上げた “ウケが良い” イメージが、日本にはまだまだ根強く残っていると思う。
そしてこのことについて、最新トレンドをGoogleで検索していると、おすすめ検索に「男性が好きな女性の服装ランキング」と出てきて、こればかりは正直ゾッとした。
日本に久しぶりに帰ってきて、すっかりこの類の考えを忘れてしまっていた筆者は、さまざまな人と再会するなかで、知り合いの友人など、初めて会う人たちががいる場にも顔を出した。「初めまして〜」といつも通りの装いで飲みに出掛けて、あの目線を久しぶりに食らってしまった。そして帰り道、ここばかりはニューヨークが圧倒的に心地よいな、と思いながら電車に乗った。
ニューヨークにもきっと「男性が好みそう」なファッションは存在していると思うが、それよりも先に「個」が優先される。服を身にまとう本人が良いと思う部分を出し、そんな「良い」をまとっている人自体に興味を持ってくれる感覚がある。だから筆者も、服はもちろん買うし、工夫もするけれど、まずは当の本人でしょ!というスタンスで、個をより大事にするようになった。
I like your outfit!
この言葉が、ちょっぴり恋しい。
筆者のプロフィール

ナガタミユ(Miyu Nagata)エディター/ダンサー
兵庫県出身の28歳。幼少期に観た「コーラスライン」をきっかけに舞台芸術の世界にどっぷりハマって以来、20年以上踊り続けている。また、日本の出版社で編集者として活躍したのち「書いて、踊る編集者」としてさらなる飛躍を遂げるため、2024年8月から拠点をニューヨークに移す。
前回のエピソード
Vol25. 万博ファッション、何を着ていけば?
Vol24. 日本人らしさとは
Vol.23. サウナのような地下鉄は「耐えろ」
続きはこちらから → 過去のエピソード
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