2025年11月7日 NEWS DAILY CONTENTS

アメリカ政府閉鎖で空の混乱拡大、旅行者が知っておくべき最新対策

トランプ政権は6日、全米40空港で航空便を10%削減すると発表した。政府閉鎖に伴う管制官不足が理由。米運輸省(DOT)と連邦航空局(FAA)によると、削減は7日から始まり、週末にかけて拡大、14日までに10%削減に達する予定。ニューヨークタイムズは6日、フライト削減に関する対策をまとめた。

ジョン・F・ケネディ国際空港もフライト数削減の対象になっている(photo: Unsplash / Miguel Ángel Sanz)

対象空港

トライステートエリアでは、ニューアーク・リバティ国際空港、ジョン・F・ケネディ国際空港、ラガーディア空港、テテボロ空港。DOTは、航空会社がどの便を欠航させるかを決定できるとし、国際線は欠航する必要はないと述べた。

旅行者が知っておくべきこと

フライトがキャンセルまたは遅延した場合、どうすればよいか?

フライト欠航の通知を受け取った場合は、航空会社のウェブサイトで次の手順を確認すること。ほとんどの航空会社は、後続便への振り替え手配を行うか、変更手数料または欠航便の代金の免除を提供する。DOTによると、振り替え便を拒否し、希望する場合は払い戻しを請求できる。

フライトが遅延している場合でも、予定通り空港に到着すること。混乱が続くため保安検査の列は長くなる可能性が高く、出発時刻が急変する恐れがある。DOTは、大幅な遅延便での搭乗を選択した場合、返金や金銭的補償を受ける権利を「放棄することになる」と述べている。

航空会社の支援策は?

多くの主要航空会社は、運航便数の削減に対応し、キャンセル料や変更手数料を免除している。

ユナイテッド航空は従業員宛ての書簡で、運休期間中に搭乗を見送る乗客は、自身の便が直接影響を受けていなくても「全額払い戻しを受けられる」と表明。この方針は返金不可チケットやベーシックエコノミー運賃も対象となる。

アメリカン航空は自社ウェブサイトで、旅行を見送る場合や便がキャンセルされた場合、「乗客はペナルティなしで便の変更や払い戻しを請求できる」と発表。

デルタ航空は自社ウェブサイトで、「再予約する乗客の運賃差額を免除し、旅行を断念する乗客には要請に応じて払い戻しを行う」と発表した。

ジェットブルー航空は自社ウェブサイトで、減便の影響を受ける乗客の大半は「自動的に再予約される」と説明。フライトがキャンセルされた乗客は、旅行を中止する場合、全額払い戻しを請求できる。

乗客側のベストな対応策は?

航空会社のウェブサイトやアプリで「自便の出発地」と「定時離陸の有無」を確認しよう。さらに、航空会社のサイトやアプリで座席表も確認したい。空席が多い場合は運航中止の可能性に備えよう。また、地方都市行き便は運航中止リスクが高いことも留意しておこう。FlightRadar24FlightAwareNational Airspace System Statusなどのサイトは、利用する航空会社や空港で問題が発生しているか、または発生する可能性があるかを把握するのに役立つ。MyTSAアプリも、保安検査の待ち時間を予測するのに役立つ場合がある(ただし政府機関閉鎖中はアプリの更新頻度が低下している)。一部の空港では、ウェブサイトに保安検査の待ち時間を掲載している。SNSのコメンテーターの情報を鵜呑みにするのは禁物。

どうしても移動が必要な場合は保険として他社便の予備チケットで、全額払い戻し可能なチケットを購入しておくという手もある。

旅行保険は役立つか?

保険契約の細則を確認すること。人員不足によるフライトキャンセルの場合、ほとんどの保険契約ではこれを「公共輸送機関の問題」と定義し、補償対象となる。ただし、ほとんどの保険契約には標準的な「既知事象条項」が含まれており、契約締結時点で公に知られている事象(ハリケーン、パンデミック、政府機関の閉鎖など)は補償対象外となる。

したがって、政府閉鎖が既に発生していた先週に保険を購入した場合、旅行キャンセルの請求はおそらく拒否されるだろう。しかし、9月に保険を購入した場合は、政府閉鎖が原因でフライトがキャンセルされても補償対象となる可能性が高い。ただし、セキュリティチェックの列に3時間も並んだためにフライトに乗り遅れた場合などは、補償対象とはならないだろう。

空港での面倒な手続きを避けたいとの理由で事前にフライトをキャンセルする場合、保険で補償されるのは「いかなる理由でもキャンセル可能」といった非常に広範な保険契約に限られる。また、そのような保険契約であっても、補償対象となるキャンセル時期には制限が設けられていることが多い。

国際線の利用者が知っておくべきことは?

国際線は制限の影響をそれほど受けない見込み。ただし、フライトがキャンセルされない場合でも、空港での混乱は依然として発生する可能性がある。長い保安検査の列に備え、空港には通常よりかなり早めに到着すること。

海外からアメリカに入国する人の多くは国内線への乗り継ぎを必要とするが、その便が欠航したり遅延したりする可能性がある。

感謝祭のフライトをまだ予約していない場合は?

利用可能な便数が減少する可能性が高いため、直前予約の航空券価格は例年以上に高騰すると予想される。既に予約済みの場合は、政府機関閉鎖のニュースや減便情報を常に確認し、旅程変更の準備をしておいた方が賢明だ。

飛行機以外の代替手段は?

アムトラックでアクセス可能な旅行先であれば、飛行機ではなく列車の利用を検討しよう。フライトの混乱が広範囲に及ぶ場合、より多くの旅行者が航空機よりも列車を選択する可能性が高いので、早めの予約を推奨。アムトラックの運賃は旅行直前に急騰することが多く、感謝祭期間中には過去最多の乗客数を記録すると見込んでいる。

バス会社のグレイハウンドフリックスバスの親会社であるフリックス・ノースアメリカは声明で、「フライト遅延・欠航や空港での長蛇の列の影響を受けた旅行者に対応する準備は万全」と表明。同社によると、航空便の問題によりグレイハウンドとフリックスバス双方で需要増加が見込まれているという。

                       
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