ニューヨーク市の公立小・中学校のうち、市全体の人種構成をおおむね反映している学校は2%未満にとどまることが、ニューヨーク大学(NYU)の研究機関による最新分析で明らかになった。

高層ビルと低層の建物が混在するニューヨークの街並み。写真はイメージ(Photo: Unsplash/Dinesh Boaz)

市全体と近い構成の学校はごくわずか

調査対象は、幼稚園から8年生までの児童・生徒が通う従来型の公立校1061校で、チャータースクールなどは含まれていない。市全体の構成は、ヒスパニック系42%、アジア系21%、白人17%、黒人16%。各人種の割合が市全体と10ポイント以内の学校を「市全体の構成を反映している」としたところ、該当したのは2%未満だった。学校がある地域の人種構成を反映していた割合は、小学校25%、中学校37%、幼稚園から8年生までが通う学校では22%だった。ただし、地域そのものが特定の人種に偏っている場合もあり、数字が高くても人種的に多様な学校とは限らないという。

学校選択制度も分離に影響

黒人やヒスパニック系の児童・生徒は、白人やアジア系に比べ、居住地によって指定された学校に通う割合が低く、チャータースクールを選ぶ割合が高かった。NYUは、学校選択制度も人種分離を強める一因と分析している。ただ、その影響よりも、過去のレッドライニング(人種を理由に特定地域への融資を制限した差別的な慣行)から続く住宅地の分離や、住所をもとに定められる通学区域の影響の方が大きいとしている。

ニューヨーク市教育局は現在、5つの学区に作業部会を設け、人種的に多様な学校づくりに向けた対策を検討している。