いつも同じ側を下にして寝ると、そちら側の髪が薄くなるのだろうか。寝る向きと生え際の後退に関連があるとする研究が発表されたが、それだけで横向き寝が薄毛の原因だとは言い切れない。米健康情報サイトヤフー・ヘルスが、専門家の見解と寝ている間の髪のケアを紹介した。

寝ている間も、髪は寝返りで枕カバーにこすれる。写真はイメージ(photo: Unsplash / Vladislav Muslakov)

研究で調べたのは生え際の左右差

医学誌「JPRAS Open」の研究は、生え際がM字形に後退した男性型脱毛症(AGA)の男性161人が対象。普段の寝る向きと、生え際の後退に左右差があるかを調べた。左側を下にして寝る人は左側、右側を下にする人は右側の後退が大きい傾向があった。あおむけで寝る人や、寝る向きが決まっていない人には、はっきりした左右差はなかった。

ただし、寝る向きは本人に聞いたもので、姿勢を変えた後の髪の変化を調べたわけではない。「横向き寝で抜け毛が増える」「あおむけなら薄毛を防げる」とは言えない。

抜け毛と「切れ毛」は別の問題

寝返りで髪が枕カバーにこすれたり、引っ張られたりすると、髪が傷んで途中で切れることがある。この「切れ毛」は、髪が抜けたり、AGAで細くなったりすることとは別の問題だ。

ヤフー・ヘルスの取材に答えた髪の研究者によると、カラーなどで傷んだ髪や、うるおいが足りない髪は、こすれの影響を受けやすい可能性がある。ぬれたまま寝ることも、髪の傷みにつながりやすいという。

寝る前は乾かし、きつく結ばない

ぬれた髪は傷みやすく、枕カバーとのこすれで切れることがあるため、寝る前に乾かしておきたい。髪をまとめる場合は、強く引っ張らず、ゆるく結ぶ。米国皮膚科学会(AAD)は、きついポニーテールや編み込みを続けると、髪が引っ張られて抜ける「牽引性脱毛症」につながることがあると説明している。シルクやサテンの枕カバー、締め付けの少ないナイトキャップも、こすれを減らす方法の一つ。ただし、髪の傷みを抑えるための工夫であり、AGAの治療にはならない。

専門家は、髪を心配して無理に寝る向きを変える必要はなく、心地よく眠ることを優先してよいとしている。髪への負担を減らすには、寝る前に乾かし、きつく結ばないことから始めたい。