着せ替え人形の小さな服が、人が着る服のデザインにも影響を与えてきた。そんな人形とファッションの関係を紹介する展覧会「Doll Dressing(ドール・ドレッシング)」が、マンハッタンのFIT美術館で開催されている。同館の発表によると、人形や衣服、アクセサリー、映像、アート作品など170点以上を展示している。会期は2027年1月3日まで。入場無料。

多彩なファッションドールが並ぶ展示(photo: Eileen Costa / ©2026 The Museum at FIT)

小さな人形が流行を伝えた

人形は、遊び道具としてだけでなく、最新のファッションを伝える役割も担っていた。ヨーロッパでは、小さな人形に衣服を着せて各地へ送り、仕立て職人たちがその装いを人が着る服に取り入れていたという。会場では、こうした歴史を伝える18世紀の人形のほか、マリー・クワントが服を手がけた1970年代の「デイジー」や、1980年に登場した黒人のバービーなどを紹介。アナ スイやジェイソン・ウーらの実物大の衣装と、そのミニチュア版を並べた展示もある。大きさの違う服を見比べながら、細かなデザインや作りの工夫を楽しめる。

実物大の衣装と、同じ装いの人形を並べた「Modes in Miniature」の展示(photo: Eileen Costa / ©2026 The Museum at FIT)

人形の服を、人が着るサイズに

見どころの一つは、人形の服を人が着られる大きさに拡大したデザインだ。マルタン・マルジェラは1994年秋のコレクションで、人形の服やアクセサリーを元の5.2倍に拡大した。縫い目や、体にぴったり合わない独特の形もそのまま大きくなり、普段の服とは違う表情を見せている。

家やドールハウスをモチーフにした衣装やバッグの展示(photo: Eileen Costa / ©2026 The Museum at FIT)

ジェレミー・スコットによるモスキーノの2017年春の作品には、紙の着せ替え人形の服を固定する、白い折り曲げ部分を模した飾りが付いている。紙の服をそのまま人が着られるようにしたかのようなデザインだ。部屋の様子をアップリケで表現したリリカ・マトシのコートも並び、ドールハウスの世界を服に取り入れている。

紙の着せ替え人形に着想を得た衣装の展示(photo: Eileen Costa / ©2026 The Museum at FIT)

服だけでなく、髪やメイクにも

展示は、人形から影響を受けた髪形やメイク、しぐさにも目を向ける。モデルのツイッギーをかたどったマネキンや、ロリータファッション、人形の不気味さを取り入れた装いなども紹介。かわいらしさにとどまらない、人形とファッションの関係をたどる。

ドールハウスやロリータファッションに関連する展示(photo: Eileen Costa / ©2026 The Museum atFIT)

Doll Dressing

日時
2026年9月16日~2027年1月3日
場所
The Museum at FIT(特別展示ギャラリー)
(227 W. 27th St.)
開館時間
水~金曜 正午~20:00、土・日曜10:00~17:00
休館日
月・火曜、感謝祭、クリスマス、元日
公式サイト
https://www.fitnyc.edu/museum/exhibitions/doll-dressing/index.php