大七酒造

 今や世界で日本酒は「Sake」と呼ばれ、多くの人に親しまれている。そんな中でも、注がれた日本酒を「グラスの中の日本文化」と絶賛するアメリカ人がいる。国境を越え、言葉を超え、文化を超え│それほどまでに愛されるSakeを造り続ける蔵元「大七酒造」の秘密と魅力を紹介する。

世界中のワイン通もうならせた正統「生もと造り」の日本酒

 至極の酒として名高い「生もと純米大吟醸・雫原酒 妙花闌曲」。2008年、北海道洞爺湖サミットの乾杯酒としてセンセーショナルに登場。翌09年には、世界的に有名なレストランガイド「ゴー・ミヨー」の正式スポンサーとして、同書が年間最優秀シェフへ贈る副賞として同酒は選ばれた。また「純米大吟醸 箕輪門」も10年12月、オランダ王室主催の晩餐会にデビュー。華麗なる宴に華を添えた。
 国内でも、日本酒専門家の認定団体、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会主催の「地酒大show」で09年から3年連続、3部門でプラチナ賞を受賞。12年にはなんと6部門で同賞に輝くという快挙を成し遂げた。

 数々の歴史的瞬間を作り、奇跡の酒を輩出し続けている蔵元│それが「大七酒造」(福島県二本松市)である。
 同蔵元は1752年の創業以来、日本酒造りにおける最も正統的な技法「生もと造り」を一貫して守り続けてきた。添加物を一切使わず、乳酸菌など自然の微生物の働きを利用し、通常の数倍の時間と手間をかけた酒造りを行っている。
 一方で、独自の革新的技術の開発にも成功。原料米が持つ力を最大限に引き出した「超扁平精米技術」の開発は職人芸の極みと評され、さらに長期的な品質の安定性を追求し充填時の酒と空気の接触を断って酸化を防ぐ「無酸素充填システム」の開発も実現した。

 大七酒造が目指すのは、力強さと洗練の両立。醸造酒としての味わい深さ、時間と共に成長する潜在力など、普遍的な価値を有する酒をこれからも造り続けていく。

至極の酒として名高い「生もと純米大吟醸 ・ 雫原酒 妙花闌曲」

酒のプロが語る「大七」の魅力

(左)ティモシー・サリバン氏 (右)木山 裕美氏

木山 裕美氏
ソムリエ。酒サムライ・マスターソムリエであるロジャー・ダゴーン氏のもとで日本酒を学ぶ。現在、ひとりでも多くの人に日本酒の素晴らしさを伝えたいとレストラン「Tocqueville」「15East」で活動している。

 「大七 生もと梅酒」は、酸味と甘味のバランスがパーフェクト。典型的な梅酒とは一線を画し、100%満足していただけるお酒です。梅の果実本来の香り豊かでピュアな味わいに「このお酒、好き」というファンが後を絶ちません。また、フォアグラのパテからチョコレートスフレまであらゆるお料理を引き立てるので、「マリアージュとは何か?」がとても伝わりやすい。もちろん、デザート酒としてもおすすめです。

ティモシー・サリバン氏
酒サムライ。2005年、日本酒に魅せられ、その魅力の伝道を目的として活動する「アーバン・サケ」を設立。日本酒に関するイベントやセミナーを積極的に行っている。

 僕の酒セミナーでは、日本酒のことを「グラスの中の日本文化だ」と話しています。酒を楽しむことは日本文化の再発見であり、ニューヨークにはそれを楽しむ機会がたくさんあります。その中でも「大七生もと クラシック」は、乳酸の味と重みのバランスが素晴らしいエレガントな酒です。伝統的な手法で作られていながら、進化し続けるクオリティーは「クラシック」という名前がぴったり。飲みやすく、生もと造りを紹介するのにちょうどふさわしい一本です。

(右)小林悠太氏 (左)岩田カズキ氏

小林悠太氏
炙り屋錦之介 ジェネラルマネージャー兼酒アドバイザー
岩田カズキ氏
炙り屋錦之介 フロアマネージャー

 この蔵元のすごさは、90%以上の酒を生もと造りしているところ。中でも「生もと純米大吟醸・雫原酒妙花闌曲」は、最高級の山田錦の生産地、兵庫県特A地区で収穫されたものを使用。大七独自の究極の精米方法〝超扁平精米〞によって磨かれた酒米で醸されているので、米本来の良さをより一層味わうことができます。さらに、フルーティーな味わいと香りの良さが魅力! 当店で開催した2月のイベントでは、ワイングラスでサーブしました。大吟醸ファンもうならせるこの酒は、空気に触れることで硬さがなくなり、味がさらに丸くなっていくので時間をかけて楽しめます。名前の通り、大七のこだわりが凝縮された一本です。

■問い合わせ
◎大七酒造株式会社
福島県二本松市竹田1-66
www.daishichi.com
販売元:JFC INTERNATIONAL INC