クレーン事故被害者、「市に責任」 市建設局に30Mドル求め提訴

 22日付のメトロ・ニューヨークによると、2月にマンハッタン区トライベッカで発生した大型クレーン落下事故で重傷を負った男性が、ニューヨーク市建設局(DOB)を相手取り、18日に訴えを起こしたことが分かった。男性はDOBがクレーンの監視業務を怠ったとして、3000万ドル(約34億円)の支払いを求めている。
 マサチューセッツ州在住の原告トーマス・オブライエンさん(73)は事故発生時、事故現場の路上で車中にいたところ、クレーンが車の上に落下したため頭蓋骨と脊椎を骨折する重傷を負った。提出された訴状の内容を伝えるニューヨーク・デイリーニュースによると、原告は「DOBには現場のクレーンを監視する義務があったにも関わらずこれを怠ったのは、業務に対する怠慢、無関心、不注意にあたる」と訴えている。
 原告の弁護士ジョナサン・ダマシェック氏は、当日突風が吹くとの予想が数日前に出されていたことを指摘。「市はこれを認識していたはずだが何の対策も取っていなかった。自然災害とは違って未然に防げたはずだ」と同紙に述べている。
 原告はDOB以外にも、クレーンを所有するベイクレーン社や建設業者のグラッソ社、工事現場のビルの所有者を提訴する意向だという。