トレンドから大衆化へ 生活に根付く日本食文化

塩麹に興味を示す流行に敏感 なニューヨーカー=6日(photo: Takeuchi)

パッケージやラベルのデザインに趣向を凝らした天吹酒造。軟水を生かしたまろやかな日本酒で、女性からの人気を狙う=同

 日本の食品や酒業界を支えるニューヨーク共同貿易が6日、飲食業界関係者を対象とした「Japanese Food and Restaurant Expo」をマンハッタン区のメトロポリタン・パビリオンで開催した。来場者は2000人超の過去最大規模。日本食文化の浸透が改めて立証された形となった。

 今回は飲食業社70社以上が出展し、各ブースで自慢の商品をアピール。なかでも、根岸物産株式会社の「麺’s ロール」は、自宅で手打ち体験ができるとして注目を集めた。同商品はうどん、そば各種麺を切らずにシート状の生地として売り出しており、好みの太さに切ったり切り抜いたりできる消費者体験型の新感覚ヌードル。同社の根岸幹彦社長は、「お子さんと一緒に創造性を働かせながら楽しんで」と、“食育”にも最適であると強調した。

 酒ブースでは、シャンパンに近いスパークリングにごり酒などが非日本人に好評だった。

 また、日本でも話題沸騰中の塩麹や地ビールなど、日米の飲食トレンドをおさえたセミナーも行われ、熱心にメモを取る来場者も多数見受けられた。

 ニューヨーク共同貿易の山本耕生社長は、「米国における日本食の大衆化が進んでいる」と言及。イタリアンや中華料理などと並び、日本食がニューヨーカーの食生活において“メインストリーム”となる日も近いのでは、と期待を寄せる。また、日本食普及へのさらなる挑戦という決意を込め、これまで「Japanese Food and Restaurant Show」と唱っていた同見本市の名称を今回からは「Expo」に変更した旨も明かした。