危険リスクあってもなお盛況 運行停止命令の“チャイナタウン・バス”

 連邦交通局は26日、ニューヨーク〜ボストン間を片道15ドルで運行するなど格安サービスで人気の通称“チャイナタウン・バス”を運営するファン・ウァー交通に安全上の理由で全路線の運行停止命令を出したが、同社は今なお営業を続け、多くの乗客が利用していることが判明した。

 同命令は、マサチューセッツ州公共事業局が同社に対し行った検査中に、車軸やエンジン、車体フレームなどからさまざまな欠陥が見つかったため出された。
 この結果を受け、同局長のアン・G・バーウィック氏は連邦自動車運搬安全局(FMCSA)へ報告書を送り、ファン・ウァー交通のバスは安全管理が不十分であるため事故を起こす危険が高いとし、ただちに営業を停止するよう要求した。だが同社はブルックリン区のバスチャーター業者から代替バスを借り、これまで通り営業を続けている。

 さらに問題であるのは、片道15ドルという安い運行料金を安全面の懸念よりも優先する乗客が多数存在するという点。あるニューヨーク市在住の30歳女性は同社が過去に起こしたトラブルについて把握しているが、「同社が最安値のサービスを提供する限り利用する」と話す。

 グレイハウンドなど連邦政府の認可を受けた同業他社のニューヨーク〜ボストン間の運行料金は、平均片道35ドルとなっている。